中野五月「あいまいでぃすたんす」
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112:名無しNIPPER[saga]
2019/03/01(金) 22:11:59.23 ID:yh8p7IXs0
二十四節季でいう大雪を通り過ぎた十二月の半ば。日に日に強くなっていく冷え込みに度重なる厚着を強要されながら、今日も今日とて家庭教師だと中野姉妹が住まうアパートへ足を運ぶ。
開けっ放しになっている玄関ドアの鍵は、俺に対する信用の表れか、あるいはただの不用心か。
「五月は?」
こたつに座して待っている面々は、勢ぞろいというわけではなかった。いつも五月が座っているところだけがぽつんと歯抜けになっていて、妙な違和感がある。
さては無理がたたって熱でも出したか。そう思って寝室の方に視線を向けると、俺の考えを否定するように、三玖が壁掛けのカレンダーを指さした。
「……そういうことね」
「朝一番に訪ねてすぐ帰るって言ってたけど、長引いちゃってるみたい」
「了解。お前らは自習しててくれ」
入って来たばかりの玄関に逆戻りして、靴を履き直す。つくづく俺の領分じゃねえなあと思うが、やらないことには始まらない。
「入れ違いになったら連絡頼む」
それだけ告げて家を出た。一度温かな空間に立ち寄ってしまったせいで、寒さはいっそう際立ったように思う。
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