中野五月「あいまいでぃすたんす」
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138:名無しNIPPER[saga]
2019/03/09(土) 17:36:37.87 ID:IWZIoqEe0
だからといって、俺が止められることでもない。後々への保険……というわけではないが、もしこいつが夢に破れる未来があった場合、振り返った道のりで俺が障害になっていたりしたらどう悔やめばいいか分からなくなる。
そういう重要な事柄に口を挟み過ぎるのはお互いのためにならない。ここまで来たら、思う存分やれることをやるべきだ。
「復習できる体力は?」
「なんとか」
「ならやっちまうか。講義で分からなかったことや怪しいところがあったら教えてくれ。苦手な箇所から潰していくぞ」
家庭教師としてのお勤めも、もうそう長く残っているわけではない。もちろんこちらに尽力しすぎて自分のことを疎かにするのは論外だが、もはや彼女たちを見放せるような距離感ではなくなってしまった。
卒業まではこぎ着けた。本来の役目はここで終わりだが、どうせなら『笑顔で』卒業するオプションまで請け負おう。夢への第一歩を踏み出すのに、背中くらい押してやってもいいだろう。……別案件で泣き顔を増やしてしまいそうだという懸念は絶えず俺の思考の片隅にあって、そのことへの罪滅ぼし的な側面が存在することは、否定しないが。
けれど、純粋な思いとして、この仕事を通して得た経験を彼女たちに還元したいと考える自分はいるのだ。そこに偽りはなく、言うなればこれは、感謝のような――
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