中野五月「あいまいでぃすたんす」
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354:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:35:51.95 ID:YuPhG13q0
「おう、任せろ」
それだけ告げて、五月の傍につける。この場にはもう、自分のアイデンティティだった満点の答案用紙もなければ、立ち位置を保証してくれるテストの順位表もない。俺をどんな人間だか確定させる証明書は、どこにもない。
でも、それでいいと思った。身分が関わらない実力勝負ということはつまり、これまで俺がどれだけ真面目に教師をやってきたかの真価を問われるということ。信用を掴むに必要なのは、自信と地力。
彼女と同じ視点で、ずらずらと並んだ問題文を読んでいく。もちろんのこと教科書は端から端まで理解しているので、困るようなことはない。
「どこからでもいいぞ」
こうして、多分最初で最後になる我が家を会場にした特別授業が開講した。一人の生徒に対し、一人の教師が必死になって指導する。
……まあ、これは、なんていうか。
世間一般に周知される、家庭教師のようだと思った。
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