【モバマス】 和久井留美「富士そばには人生がある」
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26:1[sage saga]
2019/02/22(金) 13:11:57.09 ID:+K0KOsmIO

 色んな種類の足音耳にしたよ たくさんのそれが重なってまた離れて



「ここは――」


 四谷をしばらく歩いていると、やがて赤坂離宮、迎賓館が視界の彼方に映る。
 華々しい時代を象徴する豪華絢爛な建物。この国がどん底へ落ちてもなお生き残り、そして現在も堂々とした佇まいでここにある。
 雅な西洋建築――ハリボテではない歴史を抱えたその姿は、栄枯盛衰の真理を見る者に感じさせる。


(そういえば、バラエティ番組でここを見学したこともあったわね)


 昨今、ゴールデンタイムで流行っている教養・バラエティ番組。その収録でこの迎賓館の内部を見学したことがある。
 アイドルにならなかったら、この世界に入らなかったら、絶対に経験できなかったことだろう。



 寂しさなら忘れるさ 繰り返すことだろう
 どんな風に夜を過ごしても 昇る日は同じ



「ああ、そういえばここにあったんだっけ――」


 迎賓館を通り過ぎ、また少し歩く。

 上智大が所有する真田濠(さなだぼり)のグラウンドを過ぎ、外濠の池の前を横切り、なだらかな坂道を上っていると、横に現れたのはホテルニューオータニの入口。
 日本を代表する、日本の顔と呼べるような高級一流ホテルの一つ――その威風堂々とした面構えは、訪れた者に格式の高さをこれでもかと主張し、その圧倒的な存在感をありありと表している。


(そうそう、ここにも来たわね……)


 あれはアイドルになる前、職場関係の結婚式だった……。このホテルで盛大に行われた結婚式――秘書になる前に在籍していた、もとの部署の仕事仲間の結婚式。

 特に親しかったわけでもないが、何故か招待状が届き――その流れに流されて参列した結果、これでもかと幸せを「見せつけられた」。いわゆる玉の輿結婚という様相で、王妃を気取ったような態度の新婦から「あなたも絶対に幸せになれるわ」と言われたあの日……。同じく参列していたもとの同僚によれば、当時私をライバル視していたらしい。

 あの子は、今も幸せにやっているだろうか――






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