【モバマス】 和久井留美「富士そばには人生がある」
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31:1[sage saga]
2019/02/22(金) 13:31:29.37 ID:+K0KOsmIO

「留美さん――」


 あれから数日経ち、所属事務所にて。


「楓さん? どうしたの?」


 同じ事務所に所属していて、同じくあのプロデューサーにプロデュースされているアイドル仲間の高垣楓さん――彼女に声をかけられる。


「聞きましたよ」
「……え?」
「留美さんも、結構お酒を飲まれるんですね」
「いや……。あの、その話はどこから……」
「プロデューサーです」
「……」
「いや、実は私も思っていたんですよ――留美さんは絶対お酒を飲むお方だと」
「嗜む程度よ」
「なるほど……」


 これは全て私の失態である……。あのプロデューサーでさえ根を上げたほどの酒豪、楓さんに声をかけられてしまうとは。
 なんとしても回避しなくては――


「では、さっそく今夜飲みに行きませんか?」
「いや、お仕事が……」
「私と留美さん、今日は一緒の現場ですよね?」
「……」
「大丈夫です。終電までには帰りますから」
「あなたの基準は一体どこにあるのかしら」
「最近、プロデューサーが一緒に飲んでくれないんです」
「それは……」
「留美さんとお酒を交わしながら本格的にお話してみたいです」


 飄々と不思議な雰囲気を漂わせている美女――しかし、そよ風のようにスッと懐に入ってくる彼女はどこか憎めない。


「思えば、留美さんとガッツリ飲んだことないですし」
「……しょうがないわね」
「やった……♪」


 今の私が正しい道を歩いているか……それは分からない。
 だけどここには愛すべき人たちがいて、愛する場所がある。
 だから私はここで生きる――未来でもなく、過去でもなく、今ここで生きる。



 いつか「これで正しかった」と、胸を張って言えるその日まで。















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