3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/03(日) 00:09:45.84 ID:RK4J1rVs0
「……ふぅ。こんなところか」
誰もいない中で、誰に語りかけるでもなく、小さく呟く。
疲れに支配されて重くなった身体を、椅子の背もたれに投げかけて、長時間の思考に囚われアクティベートされた脳の動きを止める。
頭脳労働の後の、束の間の思考停止。それはきっと、高度な精神活動を行使できるヒトという種族にのみ与えられた、最高の贅沢だと思うわ。
疲労感と達成感と充実感と浮遊感が綯い交ぜになった状態の自分を、しばらくあるがままにしてあげる。
そうすると、だんだんと大脳の奥底から、今までのロジカルな思考運動とは対極にある、欲のままに身体を突き動かす下卑た本能が、ムラムラと湧き出てくるの。
疲れた。オナニー、したい。
私だって、アイドルである以前に一人の人間で、一人の女性よ。
事務所からはクールなキャラクターとして売り出されているけれど、人並みに欲求はある。食欲も、睡眠欲も、勿論、性欲も。
──最初はいつもの知的好奇心というか、興味本位だった。
見知った顔が沢山いる場所で、事に及ぶと、一体どんな感情を抱き、どんな身体反応が発現するのだろう。そんな小さな疑問から始まった。
私にとってすれば、事務所の人たちの行動範囲やパターンを掌握するのは造作もないこと。この、私の巣ともいえる場所に他人が出入りする時間や条件も織り込み済み。
最初は、絶対に人に見られることはない、という確信を持った状態で、行為に及んだわ。
結論からいうと、嵌ってしまったの。
自宅の、完全にプライベートな空間である自室でする、安全な自慰とは全然違う。机も、椅子も、モニターも、空気も。
全てが他人のもので構成された空間での行為は、私の下腹部の一番深いところをきゅうっと掴んで、膝が笑うぐらいに私を快感で攻め立てた。
──誰も来ないってわかっててこれだったら、もし、誰か来るかもしれない状態でシたら、どうなってしまうんだろう。
それ以来、私は敢えて、私がこの部屋を使う時間帯の事務所の人たちの行動を把握していない。
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