15: ◆ZKbJze6bBryN[saga]
2019/03/03(日) 22:55:58.31 ID:nGbAwA8f0
社長「あの時の彼、元気かい?」
一花「さぁ……高校卒業してからぱったり。」
社長「彼には光るものを感じたのだが……それはあの時の君にも然りだ。君は磨けば磨くほど光るダイヤの原石だった」
一花「突然何を口説いているんですかー、社長」
社長「……あの時の君には、合格間違いなし、と太鼓判を押せたんだがね」
一花「あの頃のちょい役とは話が違いますからね。数十億円のお金が動く、一大プロジェクト。その顔を決めるオーディションですから」
社長「……ああ。本当の戦いはここからだよ、一花君」
社長「このままじゃあ君は勝てない。あの審査員はただの飾りだ。この映画の本当の主役を決めるのは、もっと上……まあ有り体に言えば金を出している連中だからね」
社長「とりあえず、某テレビ局の重役が今週の金曜日の夜、君と2人で食事をしたいらしい。どうするかい?」
噂では聞いていた。全国上映のビッグタイトルのヒロインや主役を決めるのに、こういう寝技を用いる事務所もあると。
でも、ウチはこれまでそういうことはしていなかった。それは社長の主義でもあるし、私も実力一本で戦いたかったから。
一花「社長、冗談きつい。私、枕絶対やらないって昔言ったじゃない」
公平に行こうぜ。誰かが昔言ってた気がする。
社長「君の、女優にかける想いがその程度なら、ここまでだ。君の今日の演技は100点だった。だが、150点じゃあなかった。心のどこかに……なにか、逃げ道を用意しているね?」
社長「僕の目はごまかせない。今の君に必要なのは覚悟だ。泥水を啜ってでも、欲しいものを手に入れるという覚悟だ。君ならわかるだろう?一花君」
一花「……わかりました」
実直で、公平で、素直であっても欲しいものは手に入らない。
狡猾に、貪欲に。
恋も仕事も同じだ。
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