R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part2
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132:塔の主 ◆VfcsCSY7us[saga]
2019/04/15(月) 08:01:35.81 ID:WQma/tMX0


そこでクチナは言葉を区切った。

包帯の奥に閉ざされた双眸からはいつの間にか止めどなく涙がこぼれ出ている。

「…家族を助けることが、間違っていたとは思わない…でもっ」

供物を逃がしたことで教団から何らかの制裁が与えられる覚悟はあった。

しかし結果はクチナの予想をはるかに超える苛烈なものとなってしまった…

「あそこまで…酷いことになるなんて…思いもしなかった…村の皆には…償っても償いきれない…!」

それ以来…神の恩恵が村に与えられることはなくなった。

毎年豊かな実りを約束していた畑は痩せ細り、数年遅れで流行り病が蔓延し…

多くの村人たちは暗闇の中で絶望し、破滅していった。

クチナは神官の役職を剥奪された後、村人たちの世話をするために村に留まることを選んだ。

村人たちから裏切者と罵倒されながらも、彼女は献身的に彼らの介護を続けた。

それが自分にとっての贖罪であるかのように…



「本当に…無様ですね、先輩」

ヒナトは呆れたような冷めた声で言う。

「俺…先輩に憧れてました。

誰よりも神の声に耳を傾け、誰よりも神の意志を尊重し、誰よりも神の命に忠実であった貴方に」

修行時代、ヒナトはよく年上のクチナと共に行動することが多かった。

クチナはヒナトを弟のように可愛がりながら、時には厳しく信徒としての在り方を説いていた。



『どんなに自分が辛い目に会おうとも、すべては神の愛を広めるために』

『神様の言葉を伝える自分たちの役目の大切さ、それを忠実に行なう誠実さを失わないで』

『いつか一緒に、我らが神のお手伝いができるような立派な神官となりましょうね―』



それらの言葉一つ一つを、修行時代のヒナトは深く胸に刻んでいった。



「けど本当の貴方は違ったんですね。貴方は神への忠誠よりも、肉親への情と言う甘ったれた感情を優先してしまうような輩だった」




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