R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part2
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905:塔の主 ◆VfcsCSY7us[saga]
2020/05/18(月) 08:36:40.18 ID:HEuzzO+L0

「ふう…吸血鬼相手にまずは一勝…か」

わずかに輝きを増した紅い魔力球を見つめてツバキが呟く。

「ツバキさま、少し休んだほうがよろしいかと。血風丸に少なくない量の血を持っていかれたはずです」

ツバキの体調を慮るギンガの言葉に、しかしツバキは不敵に笑ってみせる。

「なぁに、この程度で参るようなヤワな鍛え方はしていないさ」

「い、いや血を持っていかれるって結構とんでもないこと言ってますけど…なんなんですか、けっぷうまる、って」

恐る恐る尋ねるクチナに、ギンガが神妙な声で答える。

「血風丸…それがツバキ様の持つ太刀の真の銘です。かつてツバキ様の先祖は海から現れた巨大な怪異と戦い、これを討ち取ったと伝えられています。

そのツバキ様の先祖が振るったとされる太刀こそが血風丸なのです」

「血風丸は普通の武器では歯が立たなかった怪異の体を唯一切り裂いた刀だという。だが魔を払うことの代償に、持ち主の血を欲するのだ」

「代償…」

クチナがぽつりと呟いたその言葉は妙に重々しい含みがあった。

「無論、それは軽々しく使えるような力ではない。だからこそ普段は普通の太刀として振るっていたが…今はそうも言っておれんからな」

「拙者も本当は、吸血鬼相手と言えどこの力を使ってほしくはないのです。…ツバキ様、どうか自分のお身体をいたわることもお忘れなく」

「ああ…血を抜かれて自滅するなどとあっては、流石に情けないからな。はっはっは」

「まったく、このお方は…」

血を抜かれたことなどどこふく風と笑うツバキと呆れたように額を抑えるギンガ。

そんな二人を前に、クチナは複雑な思いを抱く。

(代償…か… 何かを犠牲にして…何かを得る… それは)

きっとツバキは、人々を守るためならば自分の身を削ることも厭わないだろう。

だがそれは本当に正しい行為なのだろうか。

「ね、ツバキ」

故郷の村でかつて行われていたあの儀式のことを想いながら、クチナはツバキに語り掛ける。

「なんだ、クチナ」

「―ギンガの言う通りよ。本当に、自分を大事にしてね」

真剣さのこもるクチナの言葉に一瞬面食らうツバキであったが。

「―ああ。気を付けよう」

仲間の言葉を正面から受け止めながらツバキもまた真剣な面持ちで応えるのだった。



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