【安価】モノクマ「ドロドロした修羅場が見たいかー!」【短編集】
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21: ◆1SKn6znVT2[saga]
2019/04/30(火) 20:55:42.95 ID:5SY4FhC60
【題名 雨降って地面泥沼】 朝日奈葵×苗木誠×響子 未来機関時代 ※適当設定あり

天気予報に裏切られた。
あと少しで帰り着こうかという時に降り始めた雨はひどく激しい。

朝日奈「あーもーやだー!」

苗木は子供のように喚く同僚の方を見ないようにしながら走っていた。セリフはお子様でも体はアダルト極まりないからだ。青年の顔が赤いのは風邪になりかけているわけではなく、つい先ほど見てしまった物が原因。シャツがべっとりと張り付いた乳房を見たせいだ。透け透けになっているせいで、中のブラまで見えてしまった。高校の頃から大きいとは思っていたが、また大きくなっている。それが走りに合わせて激しく揺れるというのだから、もうたまらない。因みに柄は中々に過激であった。

苗木「もうすぐだからねっ!」

煩悩を振り払うように声を張り上げた苗木もずぶぬれだった。ズボンがやたら重たく動きにくい。このままだと冗談抜きで風邪をひく。だが、幸いにも玄関はもう目の前だ。

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朝日奈「あーもー」

先程までより少しだけボリュームを落とした声と共に雑巾を絞るような音がした。多分、シャツを絞っているのだろう。下手をすれば下もだ。水を滴らせた小麦色ボディ。破壊力抜群の光景を想像し、絶対に後ろを向けなくなった苗木は前を向いて室内を見回した。自分達で鍵を開けた時から分かっていたが、ただっ広い部屋には誰も居ない。

まあ別におかしくもない。かつてならいざ知らず、絶望の残党との戦いもとっくの昔に終わっている。各支部の縮小・人件費の削減。それでもメンバーは多いが、もう夜の十時だし、そもそもが休日。苗木達だって朝日奈が資料を忘れていなければ、支部には寄らずに直帰していた。その挙句に雨に襲われるというのは、流石は元超高校級の幸運と言わざるを得ない話だが。

苗木「取り敢えず先にシャワー浴びてきてよ」

玄関口で鳴っているビチャビチャという音を意識しないようにしながら苗木は声をかけた。事務所に備え付けられた浴室は広いが、生憎と古い時代に作られたもの。人数は考慮しても女性職員が泊まる事態なんて想定しておらず、性別毎には分けられていない。

朝日奈「えー、苗木が先に入ってよー」

苗木「いや、女の子を濡らしておくわけにはいかないよ」

他人に聞かれたらかなり危険な会話になってきたと思うが、考えない。
話しながらも苗木はシャツを脱ぎ、上半身裸になっていた。暖房は入れたし、早めに風呂に入れば風邪は引かないだろう。洗濯機に突っ込んだシャツのサイズは高校時代よりも遥かに大きい。それなりに体は鍛えたから運動神経はともかく、見てくれはだいぶ改善されている。少年から青年へと着実に変化していた。

と、思い出したように苗木はスマホを開く。待ち受け画面は銀髪の美女。

珍しく笑みを浮かべた彼女の左手、手袋をはめた薬指には指輪がはめられていた。
スマホを握る苗木の手に付けられた物と同じデザインである。

彼女とのラインを開けば、傘を持ってなかったが大丈夫か等と心配されていた。シンプルながらも心が伝わる文面に苗木の口元がほころんだ。上の方に遡っていけば、似たような短い文章の応酬。だが、偶にXXX等という妙な文字列が混じっていたりもする。しばらく前に意味を調べて一人悶絶してしまったのは記憶に新しい。自分で調べる前に十神に聞いてしまったのは痛恨のミスだった。

朝日奈「ほら、響子ちゃんも心配してるじゃん」

苗木「うわっ!?」

耳元で上がった声に、苗木が跳ね上がる。急に声もかけられた所為でもあるが、背中に押し付けられた柔らかくも張りのある感触が主原因。朝日奈ほど大きければ、顔よりも突出した部位が先に当たるのは当然。ブラは付けているようだが、シャツはもう脱いでいる。ブラから溢れた乳肉が背中の肉で押し広げられているのが分かってしまう。あまりにも無防備。というか危険すぎる。

苗木「あさ、ひなさんっ!?」

朝日奈「私も長風呂したいし、さっさと入ってよ。あと一週間で結婚式なのに風邪ひかせたら私が怒られちゃうじゃん」

今の状態の方が遥かに怒られそうなんですが。

そう言いたいのは山々だったが、苗木はパクパク口を動かすばかりで言葉をしゃべれない。一瞬でも気を抜いてしまえば、後ろを向いてしまいそうで、とてつもなくやばい。

朝日奈「……それとも一緒に入ってみる?」

苗木「っ〜〜〜!!」

くすりと微笑みながらの囁きが聞こえるや否や苗木は駆け出した。ちょっと振り払うような形になったが、勘弁してほしい。

急に色っぽい声を出されるのは幾ら何でも反則だ。

朝日奈「しっかり体温めといてね〜!」

どたばたとかけていく彼がそれを聞き取ったかは分からない。屋根を叩く雨の勢いは今なお激しい。

朝日奈「…………」

この雨さえ無ければ未来は変わったかもしれない。

もしも雨で濡れていなければ浴室に寄る理由はなかった。
もしも雨音が小さければ、苗木も背後に寄ってくる朝日奈の足音を拾えたかもしれない。
もしも雨が異常に強くなければ、響子がラインを送るタイミングももう少し後にずれていたかもしれない。

朝日奈「………なんで、こんなタイミングでチャンスが回ってきちゃうかなあ」

もしも朝日奈が苗木の幸せそうな横顔さえ盗み見なければ、―――――――――己の中にある昏い感情を隠し通せたのかもしれない。



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