【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
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667: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2019/08/29(木) 22:22:22.06 ID:HPQRziEdo

夏凜「ごめん……ほんっと、ごめん」

ここまで言われてしまえば―実際には書かれたのだが―嫌でも分かってしまう

見せつけるように電子パッドを突き出している一方で

さっきまで見せていたはずの顔を隠していれば、なおさらだ

治ると思うべきと夏凜は言ったが、そんなことは当たり前で

けれども、それに匹敵しかねない不安が常に渦巻いている

だから、夏凜がどう思っているのかを聞きたかったのだ

好きだと言ってくれれば、当然嬉しい

治りたいと思うし、治るべきだと思うし

病が気からというのであれば、根性のみで治癒能力を高めることも出来るかもしれないほどに

そうでもないと言うのなら、諦めもつく

幸いとは言うべきではないが、

電子パッドがあれば意思疎通は可能だし、表情を作ることくらいは出来るため、

必ずしも発声でのコミュニケーションが必要というわけではない

天乃『謝って欲しいわけじゃない』

夏凜「それはそう、なんだけど……まぁ、その……あれよ」

仮にも恋人であるなら、察して答えるのが普通だった

いや、考えるまでもなく伝えるべきだった

夏凜「もはや言っても遅いかもしれないけど、名前を呼ぶ嬉しそうな声がもう一度聞きたい」

天乃「っ」

夏凜「なんて、思ってたり……して、る。けど」

片言、あわせない視線

嘘ついているとも捉えられかねないみっともなさではあるものの

夏凜にとっては、不意を突かれればそれが最大限なのだろう

天乃『ばーか』

ひらがな一言

電子パッドの裏で、きゅっと瞼と唇を閉じる少女の顔色は、影に覆われていても色づいているのが分かるものだった


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