481: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:19:17.71 ID:ps5/gbfR0
宿舎から10分走った所、有刺鉄線で囲われた禍々しい所でバスは止まり、歩哨のいる門の前で降ろされました。そこは肉が腐った、思わず眩むような臭いが立ち込めていて、咳き込みながら持っていたハンカチで口を塞ぎました。それでも臭いは抑えきれません
すると門から男が出てきました。その男こそ今回の戦車道大会の実行委員長の北野です。教官とかと似た服を着ていますから、普通に見ればただのおじさんです。周りの臭いとハエと異様な雰囲気さえなければ
「こちらは特別行動部隊施設所長の北野氏だ。全員、敬礼!」
教員の号令とともに私たちは右腕を空に伸ばしました。出来ればその手は鼻や口をふさぐのに使いたかったんですが
「ようこそいらっしゃいました。黒森峰女学園の偉大なる戦車道隊員の皆さん。所長の北野です。皆さんほど華々しくなくとも我々もプラウダソヴィエトの絶滅という目標に向け日々努力しています。今日はその成果をしっかりご覧になってください」
私の他にも何人かが鼻や口を塞いでいました。目もそれを拒否するらしく、涙が止まらない人もいました。それを見た北野が急に笑いだしました
「到着する前から匂っていたでしょう。こればかりは防ぎようがないので。なに嗅覚はすぐに麻痺します。我々はここで飯すら食ってますからな
あまり私の後ろから離れないでください。ここも広いですからな。それに迷われたりしたら、私の責任問題じゃすまないもんでね。未来を絶たれるのはプラウダの野郎だけで十分です。では行きましょう」
北野はゆっくり背を向け歩き出そうとしていました。教官が私達を並ばせ、語りました
「いいか、これから見ることは一般生徒や父兄も知らないことだ。だが我が校の未来を背負うお前達はこれらの意味を理解しなければならない」
「はい!」
舗装は特になく、建物の周りを含めて土は丸出し。入り口の近くは僅かな警備がいるのみ。逆にその手薄さが不気味でした。ですがその奥へと進まざるを得なかったのです
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