634: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/14(木) 21:21:47.72 ID:JuXJT1NJO
IV号は土煙を上げ、未だに順調なエンジン音を立てながら走り始めた。車内の私たちは無言で各々の作業をこなしている
麻子さんは操縦桿を握り、物見窓から前を注視しながら車輌をまっすぐ前に進める。目も霞んでゆくだろうに、その中でよくできるものだ
一方私は車内に置いてあった布で華さんを包んで、それを椅子の後ろで縛る。友人として死者にできる最低限のはなむけだ
「西住さん……」
視線は前に残しながら、麻子さんが話しを振ってきた
「どうしました?」
「撃たれたあと……黒森峰の追撃が、全く無かった……何が、起こってるんだ?あなたの予想でいい……教えて、くれないか……」
追撃がなかった、か。新たな情報にして、予想を補完するに十分なものだ
「どうやらプラウダがこの試合に参戦しているようです。こちら側で」
「ようです……ってことは、こちらに連絡も無しにか……」
「プラウダの真の目的は、おそらく黒森峰を崩壊させることでしょう。黒森峰もこれだけ損傷させたIV号を追撃させず、試合に出場しているメンバーまで呼び戻しているとなると、相当まずい状況だと思います」
「では……何故あなたはこれからわざわざそこに行くんだ?」
「大洗を、真に優勝させる為です」
「……出来るのか?この状況で……無線も繋がらんし……カバさんもやられたと見るべきだろうし……」
「分かりません。ですが、みんなの死を無駄にしないためにも、やれるだけのことはやります」
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