705: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/25(月) 00:08:42.97 ID:rkEitg26O
地上に降り、校舎の正門の前に身一つで歩いてきた。大きな門の上には黒森峰の印である白丸の中の黒十字が乗っかっている。その背後からは何箇所からも灰色の煙が空高く登っている
間も無くその印は髪を揺らすほどの風と轟音とともに爆破され、砕け散った。赤く燃えて周りより黒い煙を上げる。その煙を眺めていると、心の中にあった黒森峰での僅かな良い思い出も空に立ち昇ってゆく気がした
姉と触らせて貰った優勝トロフィー。小学校の時に母と共に会った優しい教官。SSの厳しい練習後に同じ釜の飯を食べた、今は亡き仲間達。それが浮かんでは消えてゆく
消えてゆく
勝ったが、勝ってしまったし、勝てなかった。ここから先戦うとしても、それは真の『西住』ではない。それを得るために、私は何を費やしてきたのか
これが最善の道、利益を最大化する道だとはよく理解している。博打を3度も当ててやっと手に入れた利益だ。そうするしかなかったのだ
だが……余りにも、余りにも全てを破壊してしまった。全てを
その煙を眺めていたが、しばらくして門に背を向けた
泣いた。我慢のがの字もない程大声で泣いた。ボコられグマのボコはどれ程叩かれ負けても応援で再びやってやると言って立ち上がる。しかしもう私に届く応援を出来る人はいないだろう。何より自分自身が出来ないのだから
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