5:名無しNIPPER[sage]
2019/08/17(土) 00:17:22.82 ID:04op77oe0
泡の潰れる音が大きく耳朶を叩いて、不快感が胸につっかえる。
シャワールームは白いタイル張りになっているが、水浸しになっているせいで、タイルの目が見えない。そして、音の正体はおそらくはシャワーから溢れ出した大量の水が、排水溝に殺到し、吸い込まれる音だった。
細かな水の飛沫が顔に当たる。それだけのことなのに身体中の体温が冷めわたって、鳥肌が立つ。
意を決して足を踏み入れると、くるぶしのあたりまで沈んで、思わず声が出た。
ありすはそれなりに大きな声を出したと思ったけれども、あの、泡がぼこぼこと押しつぶれていく音に掻き消された。
足元に視線を落とすと、水面が排水溝に引き摺り込まれているせいか、輪郭の歪んだ顔のない女が映った。それが自分の顔だとわかっているのに、ありすは息を飲んだ。
シャワーを浴びて、はやく出よう。
そう思ってありすは近くの個室に入った。
いつも通りの個室のはずなのに、小柄なありすでさえ圧迫感を覚えた。個室の床にある排水溝から出た音が、その壁にさらに響いて押し潰されそうになる。
まるで身体が水底の深くまで沈められたようだった。
ここのシャワーヘッドからは、なぜか水がちょろちょろと少しだけ出ている。何かが詰まっているのだろうか。
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