【安価】女探偵「奇々怪々な事件ならおまかせあれ」
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313: ◆VewnKbCuMWTD[saga]
2020/03/18(水) 21:59:51.01 ID:bD2ATsVkO
涼しい夜風と、肌が温まる白い湯気。
心地よい檜と硫黄の匂い。古風な屋根の向こうには、満点の星空が広がっていた。
奈月(温泉……あれ? 私、温泉に来たんだっけ?)
奈月は首をかしげるが、この状況はどう考えてもそれ以外にないだろう。
奈月は手にタオルを持つのみで、一糸纏わぬ姿だった。これで温泉に入らずどうするというのか。
奈月(温泉なんていつぶりだろ。最近仕事ばっかで疲れてたし、久しぶりに羽をのばそっと!)
奈月は浮かれ気分で温泉に向かって歩いた。足裏のつるつるとした石床の感触が気持ちいい。
温泉は乳白色で、底を見ることができなかった。なんともいい効能がありそうだ。
奈月は足元を確かめるように、つま先からゆっくりとお湯に浸かる。
奈月(――違う、私は温泉なんかに来ていない)
くるぶしまでお湯に浸かったところで、奈月は動きを止めた。
曖昧になっている記憶を必死に手繰り寄せ、思考を回転させる。
目の前に広がる白く濁った温泉をじっと見つめる。人肌より少し熱い程度のそれは、思っていたよりもずっと粘度が高い。
瞬間、第六感が鮮明なイメージを浮かび上がらせた。この温泉の持つ効能を、これに浸かり続けることで待ち受ける結末を。
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