[咲-Saki-][安価]京太郎「世界に男が」咲「京ちゃん一人? その1」[R18]
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82:風見猫 ◆3vs82J3Ikc[saga]
2020/03/15(日) 14:08:45.84 ID:rMPaQInI0
[4月2週目]
手紙に名前を書けばその人が来てくれる、そのうたい文句に京太郎が名を記したのは久しぶりに顔を見たいというただそれだけの動機だった。

それがまさか、高級ホテルのスイートルームでスケスケの白レースのネグリジェの舌に下着としては意味をなさない扇情的なだけの赤い布をまとった姿の和と顔を合わせる事態になるとは京太郎には予想できていなかったのである。
世界が男性をどう扱っているのか、その男性が名指しで女性を呼ぶということにどういう言う意味が秘められるのかを深く考えなかった京太郎の手落ちである。

以前とは比べ物にならない女性にもてる環境に置かれても過ごした日々は少なく、以前の感覚が抜けないままでの行動が他者にどう映るかを頭に回す余裕はなかった。
その結果がこれである。

「その、セックスする前に一つだけ聞きたいのですが……どうして私を選んだんですか?」

和の顔は真っ赤になり腕で局部を隠すように身をよじりながらも本格的にその場から逃げ出そうとはしない。
頭のいい和には自分が断れないことも分かっていたし、そして唯一の男から見初められたということに対する無意識の優越感も感じてしまっている。
ただそれとは別に自分である理由が知りたかった。

一方の京太郎は必死で頭を空転させる。懐かしい相手と話をするつもりが、その相手が完全に準備オッケーな状態でムードのある高級な個室にいるのだ。
そしてその相手を性的な目線で見たことが一度もないかといえばノーである。清澄内では一番好みのタイプの女性なのだから当然だろう。意識するなというのは無茶だ。

一瞬玄の存在が頭をよぎってすぐに否定する。流石に阿知賀のサプライズ再会イベントを潰すのはダメだろう。
この世界では和とろくにしゃべったことがないので憧れてというのも無理がある。
結果たどり着いたのは非常に細い糸であり原点とも呼べる存在。バタフライエフェクトなり運命の収束なりといったよくわからないものに頼る。

「実は咲……清澄にいる幼馴染に聞いたんだ」

普段はずさんに扱うくせにいざとなると縋り付くのは幼馴染共通の現象なのだろうか?

まあ京太郎の地頭はそこまでよくない。冷静でない状態で『インターミドルの大会で見た』という穏当な模範解答に至らないのも仕方がない。

「咲、もしかして宮永咲さんですか? え? 『京ちゃん』さんって男性だったんですか?」

「あれ? 知ってるのか?」

京太郎としては『咲を知ってるのか?』という意味での問いかけを和は『咲の事情を知っているのか?』という意味にとる。

「はい。麻雀部に入ったのも自分の『京ちゃん』さんを浚った学校を探して潰すためだと本人が言ってましたので」

「なんでそんな物騒な上にさらっと所有物扱いしてるんだあいつ!?」

京太郎は頭を抱えた。いったいなぜ幼馴染が文学少女からジャイアン系魔王にクラスチェンジしたのかと。時期が早すぎではないかと。

自分のせいだと気づかないあたりが京太郎の残念さである。
まあ咲は執着こそしているが恋心は皆無に近いので、普段の京太郎への接し方が適当なために気づくポイントは少なかった。

「恋人ではないんですか?」

「ないない。幼馴染ではあるけどそれ以上でもそれ以下でもない」

これを聞いて和は咲の片思いなのだと勘違いした。和の良識では好きでもない人間を縛り付けようとする気持ちが理解できないからである。
そして一般的にそれは正しい。咲が特殊なだけだ。

一応弁明しておくと咲は母と姉に離れられ、父もなくし、近しい人間が離れていくことに対して深いトラウマを持っている。京太郎も含めれば元の世界の倍の人数に至り、歪みは拡大していた。

「そうですか。深い関係でないのならば宮永さんに気を遣う必要もありませんね」

すっと距離を詰めた和が自分から京太郎に口づける。慣れてはいないおずおずとした動きではあるが唇同士が触れ合い、扇情的な和の格好が京太郎の劣情を嫌でもくすぐる。


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