白石紬「う、うちがセクハラに弱すぎ……?」【R18】
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3: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/03/20(金) 23:12:00.81 ID:0kmcNV+Co

※03

「と、いうわけで……その、プロデューサー……あなたに、
 私の“セクハラさん”対策のお付き合いをお願いする、という次第です」

 不本意ではありますが、これは社長や青葉さんや音無さんには頼めないことです。
 ……と、私が忍びに忍んで申し上げたというのに、
 プロデューサーは胡乱顔で私に目を向けて黙ったまま。

「なにをそんなじろじろと人の顔を……そういえば、あなたと出会った時も」

 初めて顔を合わせた時、プロデューサーはうちのお店へ衣装の返却手続きに来ていて、
 私は父の留守番として店に立っていたのですが、そのとき、お互い名乗っても居ないのに、
 黙ったままじろじろと私の顔を眺めていて……。
 
 ……記憶をたどると、ずいぶん前の出来事に思えます。
 暦の上ではさして星霜を重ねていないのですが、
 プロデューサーとはいろいろ思い出されることが多く……

 ……のんきに回顧している場合ではありませんでした。

「あなたは、やはり、私以外の人間にも、そんなセクハラじみた振る舞いを……!」

 プロデューサーは慌てて否定しますが、信用なりません。
 担当アイドルとして付き合うなかで私も察してきました。
 悪気はないでしょうが……この人の不躾さは、かなり“素”です。

 ……一歩でアイドルの世界では、この人が特別に不躾なほうではないことも察してきました。

 ……私が気にしすぎているのでしょうか。そういう覚えも若干あります。
 他人の視線を絡め取るのが商売のアイドルとして、「私をじろじろ見ないでください」
 という態度をあからさまにするのは、いかがなものか……と言われると、返す言葉もございません。

「ま、まぁ、かえって訓練に臨場感が出てよろしいでしょう。
 あなたなら、そう、私も知らない仲ではありませんから……いささか行き過ぎがあっても……。
 コホンっ! とにかく、私のセクハラ対策に協力してくださいっ」

 プロデューサーは納得しかねた表情でしたが、無理やりうなづかせました。

「前もって申し上げておきますが……これは、あなたが楽しむためではありませんから。
 いわばワクチンや予防接種の類いです。私に免疫をつけるためです。
 まさか、役得だ、なんて思ってはいませんよね。

 はぁ? 『実は少し役得だと思ってた』ですって!?
 もう“セクハラさん”になりきっているとは、呆れるほど熱心なことですっ」

 ……正直、ぜんぜん役得だと思っていなかったとか言われなくて、
 毫か眇ぐらいは安堵した気もしますが……それは、私の顔に出ていませんよね……?



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