白石紬「う、うちがセクハラに弱すぎ……?」【R18】
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7: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/03/20(金) 23:15:04.55 ID:0kmcNV+Co


※06

 プロデューサーは、私の髪を我が物顔――表情は見えませんでしたが――で弄り回しながら、
 私のことを耳元で褒めそやしてきます。耳殻からプロデューサーに声を流し込まれるたびに、
 私の頭やうなじや肺のあたりが赫々と熱くなって、ふわふわと舞い上がって、熱気球か何かにされた気分です。

「あ、ふぁっ……んんっ……あんた、ぁ……❤ そんな、甘言を弄して……
 あなたはっ、私の心をオモチャにして、そんなに楽しいのですか……?」

 腹が立たないといえば嘘になります。
 ただ、私を震えさせる熱や脈拍の原因を、すべてその怒りのせいにできる……わけでも、ありません。

「うなじに……顔をっ、埋めるなど……! や、ぁっ……におい、嗅がないで、嗅がんといて……っ!」

 されるがままになってしまいます。
 身をよじってプロデューサーの手や腕に逆らおうとしても、
 プロデューサーの感触が離れない程度に加減してしまいます。

「いっ、息遣いを、荒く、しないで、ください……!
 髪や、首にかかって……っ」

 恐ろしくてたまらないのです。
 興奮しているのに背筋が震えて止まらなくなっています。
 プロデューサーに何をされるかわからないのに、何をされても受け入れかねない私が、
 ここに突っ立ったまま、背中から回されてるプロデューサーの両腕に、しがみついて、すがって、

「私の匂いが、いい匂いだと……? 妄言もたいがいにすることです!
 私が毎日、どれだけ気を遣っているとお思いですかっ」

 これまで私は「セクハラ」と聞くと、
 胸やお尻にいきなり触れてくる痴漢のともがらを思い浮かべておりました。
 それが、髪やうなじのような、直接的に性的(セクシュアル)と言い難いところでも、心が、乱され……っ!

「こ、興奮などしておりません! こ、これは、怒りです!
 あなたの不躾さに、私は、憤っているのです……!」

 するとプロデューサーは『ここからどうやって逃れるか』を私に静かに問うてきます。

「う……どうやって、逃れるか……?」

 そうでした……。
 これは、セクハラに対処するすべを会得するための……。

 プロデューサーは『つらいなら、止めるか?』と、訳知り顔。

「こっここで止められたら、私は、あなたに触られ損ではありませんか!
 かくなるうえは……乗りかかった船です!」

 私の虚勢混じりの挑発に応じてか、
 プロデューサーは、私の身体に腕を絡ませ、ぎしりと重みを乗せて……。

「あっ、ん、くぅ……肩、手を、回し、て……っ」

 私はついよろけて、背中をプロデューサーへ押し付ける体勢になってしまいます。




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