佐藤心「湘南の海っぺりで青姦とか、キツいぞ☆」【R18】
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2: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/03/22(日) 22:58:20.78 ID:m++wvuJxo

※01

「いやぁ……きょうは燃え尽きた! はぁと、完全燃焼したわぁ……☆」

 134号の上り車線を流す社用営業車の中で、
 はぁとは助手席から、日が傾き始めた初夏の相模湾のほうを眺めていた。
 今はたぶん大磯か、平塚のあたりか。細かいところはわからない。
 車載ナビはモニタの電源が切れていて、カーラジオがさらさらと地元FMのおしゃべりをせせらぐ。

「佐藤、やけに気合が入ってたな。南国リゾートのときよりも、テンション上がってなかったか?」

 きょうは朝から大磯の浜辺で撮影のお仕事。
 朝――というか、人が集まる前に進められるだけ進めなきゃならんかったので、
 漁師さんたちと同じような時間に出て、撮って撮られてもうクタクタ。

 それでもはぁとは、その疲労感がやけに心地よかった。

「大磯はね。はぁとが生まれてはじめて遊んだ海なんだ。
 はぁとの地元と、確か姉妹都市かなんかで、毎年なんかしらイベントがあって、
 ちっちゃかった頃のはぁとも、連れてってもらってさ」
「思い出の海、ってやつか」

 はぁとの右でハンドルを握るプロデューサーは、
 目を細めて、オートライトよりも早くトワイライト・オン。

「それなら、もうちょっといても良かったか? 急ぎでもないし」
「……いやぁ、朝早くから、ギラギラ太陽浴びっぱなしだから。いいんだ。
 まだ夏真っ盛りじゃないからSPF50+、PA++++でガードしときゃぁと思ったけど、それでもちょっときっつい」

 ウインドウを流れる標識が茅ヶ崎の市境を示したあたり、
 流しっぱのカーラジオのFMが、暑苦しいエレキギターをかき鳴らすイントロを流してくる。

 すると、湘南を背景にしたプロデューサーの横顔が、
 目を細めたまま何やら口ずさんでいるのに気づいた。

――ギラギラ輝く太陽が
――ときの片隅へ堕ちてゆく

 プロデューサーは知ってる曲なのかな。はぁとは……記憶にない。
 ただ、曲の中でこぶしをきかせてる男性ボーカルだけは聞き覚えがあった。
 かなり有名なバンドのそれだ。昔、売れた曲なのかも。

――八月の濡れた誘惑が
――水着の奥までしみた時

 ミドルテンポの、イントロの勢いからさらに気温と湿度と太陽のまぶしさを増していくような、
 そんなアッパーチューンに対して、ハンドルを握るプロデューサーの顔は、
 一足とびの薄明のように、しんみりとした色に見えた。夕焼けを背負ってるせいか?

 その色が、はぁとの端っこに、ほんのちょびっとだけ引っかかる。

――風に燃える陽炎みたい
――空と海のアイドル

「空と海のアイドル〜♪ ふふん、まさにきょうのはぁとみたいなナンバーっ☆」
「……そういう歌じゃないんだよ、これ」

 はぁとは、じーっとプロデューサーの顔を見ていたので、
 プロデューサーが『……じゃないんだよ、これ』と口走り、
 その直後に『しくじった』とでも言いたげな表情へ移り変わる様子を、しかと視界に収めていた。

「知ってるの? プロデューサーは」

 はぁとの音楽検索アプリは、すでに曲名を弾き出していた。

――灼けたSun-Tannedの肌に
――胸がJin-Jinと響く

「まぁ、はぁとはSun-Tannedってほど、こんがり日焼けデキ……シてないけどな」

 モニタをスワイプして横目で歌詞を読んだ。
 モヤか陽炎が上ってそうな曲調に対して、コトバはどうもウェットな方面に沈むらしい。



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