388: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/21(火) 21:41:13.99 ID:4VZkZZO50
ウイスキーのロックに口を付けると、男はニッと笑った。
「…面白そうですね。ヤクザもんも近頃は、子供からのイメージが大切だ。どれ、良さそうなのを何人か、見繕ってみますよ」
「口が堅いので頼むよ。年甲斐もなく親馬鹿をこじらせていると、思われたくはないからな」
「へへっ、お任せください」
男は頷いた。それからふと、顔を曇らせた。
「…この前は、ウチの若いのが失礼しやした。最近入ったばっかのもんで」
「ああ。結局、あの立ちんぼはどうなったね」
「ヤバそうだったんで、シマから追い出しました」
「ヤバい? ただの立ちんぼじゃないのか」
「あの女だけなら良かったんですがね。あれには小学か中学生になる娘がいやしてね。…何と、その娘にも客を取らせてたんですよ」
「児童買春じゃないか」
「ええ。ウチの組が関わってるなんて思われたら、流石にねえ?」
「…」
私は腕組みして、じっと黙り込んだ。
補導記録にあった、星ノ瀬煌良という少女。夜の街を徘徊していたのは、身体を売る相手を探していたからか。もうこの辺りにはいないのだろうか。できれば、一度会ってみたかったが…
「…とにかく、約束の件、早めに用意しときますんで。そうですね…週明けからなら、いつでも呼んでくだされば行きやすんで」
「ああ、頼んだよ」
私は、椅子から立ち上がった。もう、日付が変わって数時間が経っていた。
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