530: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/26(日) 22:39:26.49 ID:HdGjBJqV0
「この度は、カタギの皆さんに大変ご迷惑をおかけしました。御大始め警察の方々にも」
「うん」
「そこで、お詫びの印に、こちらを」
下っ端が、トランクを私の目の前に置く。
それにしても、やたらでかい箱だ。海外旅行用の、更に一回りくらい大きい。中身は札束か? だとしたら、一体いくら入って…
「…どうぞ」
下っ端が、蓋を細く開ける。
「? ……っっ!!?」
中身を覗いて、私は仰天した。
「御大が、お好きと聞いて」
男が、にやりと嗤う。
___トランクの中には、一人の少女が丸まって、静かに寝息を立てていた。
「こ、これは」
「個人的に懇意にしている、イタリアの同業者から。何でも抗争相手を皆殺しにしたら、この娘だけが残ったそうで」
トランクの蓋を閉じる。周りは、こちらのやり取りに気付いていない。
「名前は『リュイア・トラメスロ』。まだ9歳ですが、ラテンの美人ですよ」
「そ、そんなもの…私に、どうしろと」
「信頼できる老夫婦と一緒に、都内に部屋を取ってあります。『遊び』たい時は、いつでも。日本語は仕込みましたが、他は何も知らないから、好きに『教育』できますよ」
…
家に帰ると、今更のように心臓が早鐘を打ち始めた。
「はぁ…はぁ」
何ということだ。彼らに、私の趣味がバレていたとは。しかも、あんなものまで用意されて…
薄明かり越しに見た、リュイアという少女。肌は小麦色で、細い髪は銀色。たったそれだけで、どこか幻想的な雰囲気を覚えた。
あれが……私のものに…?
994Res/439.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20