665: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/05/03(日) 14:39:39.28 ID:TFS+9flZ0
…
部屋を出る前に、私はリュイアに尋ねた。
「ここを出たくはないかい」
「んー…」
リュイアは唸った。迷っているというよりも、言い出しにくいようだ。
「出てはいけないと、言われてる?」
「…Si」
「大丈夫。おじさんが、君を外に出してあげられる」
部屋を出ると、老夫婦に言った。
「リュイアも出たがっているようだ。…私が、手を打ちましょう」
「本当ですかい」
「ええ。後々、ゆっくり話し合いましょう」
…
家に帰ると、朱音が不思議そうな顔でリビングに座っていた。
「ただいま。…どうしたんだい?」
「あ、おかえりなさい…えっと、今日…八島さんが来てて」
「! そうか、戻ってきたんだね」
「でも…」
朱音は戸惑うような、安堵するような、妙な顔で言った。
「…わたしに、ごめんなさいって言ったの。それで、困ったことがあったら言ってって」
「それは良かったじゃないか」
ネクタイを解き、何となく匂いを嗅ぐ。リュイアの部屋の匂いが付いてはいないだろうか…
「うん…」
「もし、また何か嫌なことをされたら、いつでも言うんだよ」
私は朱音の頭を撫でると、着替えに2階へ上がった。
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