691: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/05/04(月) 17:38:55.53 ID:plgmMOgH0
「…は?」
私は、耳を疑った。
家政婦の一家が旅行に行く。それは良い。雇い主とは言え、他人の休暇に口出しする権利は無い。だが、朱音と妻が一緒だと? 私を置いて?
その夜、朱音が寝静まった後、私は妻を問い詰めた。
「明日から旅行に行くと、いつ決めたんだ」
「朱音が行きたいと言いましたもの」
いつになく冷たい態度で、妻が言った。
「だが、私は」
「最近、毎日のように仕事が遅いでしょう。お忙しいようですし、無理に誘うのは何だと思いまして」
「…」
私は言葉に詰まった。
ここ最近は、毎日のように真っ直ぐ家に帰らず、少女と遊んだり接触したりしていた。土日も一人で外出することが多かった。だが、本気で仕事のためと思っているのなら、妻がここまで強硬な態度を取るとは思えない…
そこまで考えて、私はようやく察した。妻に、疑われている。
「…明日は朝が早いので。おやすみなさいませ」
吐き捨てるように言うと、妻はさっさと寝室へ引っ込んでしまった。
…
翌朝。最悪妻に泣きついても同行できないかという私の甘い目論見は、薄暗い自宅と作り置きの朝食に、儚く打ち砕かれた。
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