328: ◆DLsVqu3F.A[saga]
2020/04/25(土) 11:16:56.95 ID:28NhyLq30
〜数日後〜
僕がまた1人で帰っていると、また家の前に出ている女の子を見つけた。
女の子「………っ……!」
僕「ちょっ、ちょっと待って」
気がついたら僕は急いで家に戻ろうとした女の子を引き止めていた。
恐る恐ると言った様子で女の子は振り返り、身を守るように縮こまりながら聞き返してきた。
女の子「…………な、なに…………?」
僕「怖がらなくていいよ。………君って、〇〇学校の1-3にいた子だよね」
僕はまるで小動物に接するみたいに優しく怖がらせないように話しかけた。
女の子「そっ、そ、そうだけど…………なんか、用…………」
僕「………そのさ…………迷惑ならごめんけどさ…………不登校なのって、なんでなのかなって思って……………」
僕がそう言うと女の子は唇を噛んで、
女の子「ほんとに、迷惑………だから、関わらないで………ウザい…………」
そう言うと女の子は家の中に戻っていってしまった。
〜次の日〜
気持ち悪いだろうなーと自分の事ながら思いつつ、学校であの女の子について調べた。
あの子は影宮 杏と言う名前で、どうやら入学早々イジメを受けていたらしい。
それで不登校になったのか………
僕は今日も影宮さんの家の前に来た。
ピンポーン
僕がチャイムを押してからしばらくすると。影宮さんのお母さんらしい女の人が出てきた。
女の人「はーい………あら、あなたは………?」
僕「はい。……えっと、影宮さんと同じクラスの相上って言うんですけど………影宮さんと話がしたくて………」
僕がそう言うと、女の人の表情が厳しくなった。
女の人「………残念ですが、貴方達の所為でうちの子は人間恐怖症になっているんです。何も話すことはありません」
僕「あ、ちょっ………!」
言い切る前にバタン! と大きい音で扉が閉められた。
人間恐怖症になるほどの事をされたのか…………
………失敗した………明日も来よう。
〜数日後〜
杏さんの家に通い初めて数日が経った。
お節介でストーカーみたいな事をしているのは自覚している。
それでも、どうしても放って置けなくて………
ピン
ガチャッ!
影宮母「今日も来ると思いましたよ………しつこいですね………」
僕「で、でも………」
女の人「では」
影宮のお母さんが扉を閉めようとした時、誰かが影宮のお母さんに声をかけた。
杏「あの………お母さん………」
影宮母「ちょっ……杏………! 出て来ちゃダメでしょ………!」
杏「ごめん…………」
杏さんは僕の方を見た。
杏「…………お母さん………あの子、家に上げて………」
影宮母「………っ! ……………良いわ。………入って来なさい…………」
僕は影宮のお母さんに導かれるまま家に上がった。
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