329: ◆DLsVqu3F.A[saga]
2020/04/25(土) 11:38:07.33 ID:28NhyLq30
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杏「…………」
僕「…………」
僕と杏さんは向かい合って座っている。
中央に置かれた菓子は僕も杏さんも手をつけていない。
影宮さんのお母さんは心配していた様子だったが、今は料理を作っている。
杏「…………あんさ…………」
僕「………ん……?」
杏さんが口を開いた。
杏「……なんでそんなウザいの………?」
なんでこんなに家に来るの、と………
僕「………不登校なのが気になって………お節介かな………?」
杏「はっきり言ってウザい………」
僕「ごめん………」
杏さんが初めて菓子に手を伸ばしてボリボリ食べる。
杏「…………分かるでしょ?」
僕「………ん? 何が?」
杏「私が不登校になった理由………こんな暗くて、こうやってズケズケ思ったこと言っちゃってさ………だからハブられて、イジメられて。小学校はまだ乗り切ったけど、中学になってメンバーが変わったらもっとイジめられて、結局人間恐怖症になって………」
杏さんはボリボリと口を動かしながら新しい菓子に手を伸ばす。
杏「………ね、これで分かったでしょ。私が不登校な理由、全部。だからさ、ウザいから、もう来ないで」
こんなに拒絶されるとは………その時僕はふとリビングに置かれてるゲームが目についた。
………この方法なら…………
僕「…………また、明日も来るから」
杏「…………は………? ………勝手にすれば…………」
僕が家を出る時、影宮のお母さんが見送ってくれた。
影宮母「…………そう言うことなの。…………相上君だっけ……? ………ごめんね」
僕「いえ、良いです。では」
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