月岡恋鐘「長崎で逆レ●プが人気? そんなわけ無かよー」
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2: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/04/19(日) 23:33:39.82 ID:gtMoMWxlo

※01

「んふふ〜、こがんやらしか女の子と、真夏の無人島で二人きり……
 なーんて、いくらプロデューサーでも経験なかろ〜♪」

 俺の担当アイドルである月岡恋鐘は、空と海の青を背負って、つば広の白い帽子をかぶり、
 白のベースカラーに赤のワンポイントでフリルをふんだんにあしらったビキニ、
 そして溢れるような笑みを見せつける。

「……恋鐘の言うとおり、はじめてだ。たぶん他の場所で、他の人と経験することもないだろう」

 俺はぎりぎりまで言葉を選んで返事した。
 『やらしか』というのが、恋鐘のお国言葉で「かわいい」を意味すると思い出すのに時間がかかったせいだ。

「そうやろ〜? ま、砂浜はないから『追いかけて〜逃げるフリをして〜♪』とはいかんけれど」

 恋鐘がゆっくりとした足運びで回ると、
 ちょうど潮風がふわりと軽く流れてきて、白い大ぶりなフリルがはためいた。
 足元は護岸工事もされていない手つかずの磯なので、足運びがくるくる……とはいかない。
 フリルは、恋鐘の曲線美を「ちらちら」程度に隠していて、金魚を連想させた。
 そういえば、かつてここは豪奢な白いヒレのある金魚の産地でもあった。

 長崎県佐世保市、九十九島。
 よそ者の感覚だと「つくもしま」と呼びたくなるが、時代によって読み方は揺れている。
 伊能忠敬が「七十に近き春にぞあいの浦 九十九島をいきの松原」と詠んだ例もあり、
 地元では「くじゅうくしま」と呼ぶことが多いようだ。

 佐世保は、恋鐘が生まれ育ち、今もアイドルとしての仕事でたびたび帰ってくる地であった。

「恋鐘は、友達と来たことがあるのか?」
「ぜーんぜん! ……ホントよ? うちも、はじめてっ」

 九十九島というのは、九州最西端にあたる佐世保市の、
 (恋鐘いわく、西隣の平戸市は「島」なので別カウントらしい)
 日本海だか東シナ海だかに面する西海岸に点在する208の群島の総称とのことだった。

 208のうち有人島は、かつて潜伏キリシタンが信仰をつないでいた国重文の黒島天主堂がある黒島など4つ。
 俺も恋鐘もクリスチャンではないが、観光協会がらみの仕事で足を運んだことがある。

 残りの204は無人島だ。
 事前に約束をとっておけば、瀬渡し船で適当な島に送り迎えしてもらえる。
 時間限定とは言え、文字通り「無人島に二人きり」を堪能できるのだ。




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