【安価・短め】元ビッチと元キモオタの子供が恋人を拾った
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394: ◆DLsVqu3F.A[saga]
2020/09/12(土) 18:52:51.97 ID:/ET502nN0
〜

高校の帰り道、俺は川沿いの少し湿った道路を歩いていた。
昨日大雨が降ったから川の水位も増して少し危険だな、と思っていた時、前から買い物中らしいお隣の日鳥さんがやってきたので、会釈した。

俺「ども」

日鳥さん「こんにちわ〜。最近、どうかしら〜?」

俺「おかげさまで元気ですよ。昨日の雨凄かったですね」

日鳥さん「そうね〜、すぐ止むと思ったら結局夜までず〜っと降っちゃって〜」

今更だが、日鳥さんの母性は凄い。
何というか、ムンムンしている。
まあいわゆる『良い女性』ではあると思うけど、未亡人だし、まあ手を出すつもりも気も無いな。


その時、突然悲鳴が聞こえてきた。


日鳥「ん? なにかしら〜........?」

俺「何でしょう.........ちょっと行ってきます」

俺が悲鳴の聞こえた方に駆け寄ると、そこには川の中を覗き込んでいる草薙先輩がいた。

刀子「あ、ああ........! 嘘、そんな.......だ、だれか.........しょ、消防、呼ばなきゃ.......!」

草薙先輩は目に涙を浮かべ、何か切羽詰まった様子で震える手でスマホを操作していた。

俺「草薙先輩? .......どうされたんですか?」

刀子「あ、貴方は、陸上部の相上くん.........! の、ノラちゃんが.......あ、足を滑らせて........!」

川の中を見ると、濁流の中にキジトラの猫の姿が見え隠れしているのが見えた。
ノラちゃんって、あの猫か........!
そのキジトラはどうやら足を滑らせて川に落ちてしまったらしく、明らかに溺れていて、「に゛ゃ、あ.......!」と暴れている。
草薙先輩はどうやら電話を消防に繋げられたらしいが、このままでは絶対に間に合わない........

..........よし。

俺はカバンを下ろし、スマホをポケットから出して置いた。

刀子「はい、はい.......! 魚屋の前で........え、相上君........なにをして.........あっ!?」

草薙先輩が俺がなにをしようとしているか気づかれる前に、俺は川に飛び込んだ。

ダポォンッ!

俺「.......ぶはぁっ! .........っはぁっ! はぁっ、はぁっ、はぁっ........!」

ノラ「みゃぐ、がぽっ........!」

辺りを見回し猫の位置を確認した俺は、ざばざばと泳いで距離を縮めていく。
川の流れが早い........!
なんとか水を掻き分け、進んだ。
太宰治のメロスのワンシーンのように。

ノラ「がにゃっ..........に゛..........がぽ..........」

しかし俺が辿り着く前に猫は波に飲まれてしまい、姿が見えなくなった。
川岸でみていた草薙先輩が絶望したような声をあげた。
しかし、俺は諦めない........!

絶対に..........助ける!

俺「うぉぉぉぉおぉぉおおおおぉおぉぉぉぉぉぉ!!!」

ざぱんっ! ざぱんっ! ざぱんっ!

手を必死に掻いて、手探りをする。
見つかってくれッ........!
そして、指先に触れた毛皮の感触を、俺は逃さなかった。

俺「ぉおおおおおおおおおおおっ!」

ざばぁんっ!

俺は左手で川岸の階段の手すりを掴み、そのまま階段を登った。

刀子「相上君っ!」

草薙先輩が駆け寄ってきた俺の右手には、ぐったりとした猫の姿があった。


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