5: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:11:15.31 ID:p0TmPlc30
「へーっ、じゃあ何で辞めちゃったの?」
「んーっとね〜、……なんとなく♪」
「なんとなくか〜…じゃあ、仕方ないね」
宮本フレデリカはアイドルであった。
所属していたのは小さな事務所だったものの、そこそこ人気はあったらしい。
煌めくような金髪に、ハーフ故の整った顔立ちをした彼女は道を歩けば男女を問わず振り向かせ、
口を開けばその美しい容姿にそぐわない奇妙奇天烈な言葉をぽんぽん飛ばし場を和ませる。
アルバイト中のテキパキとした動きからして要領も悪くないのだろう。
何より人を喜ばせることが大好きな彼女に、
主に人を喜ばせる事を生業とするアイドルは天職だったろう。
志希は珍しく驚いた顔をしたが、すぐに普段通り口元を緩ませた。
「ふぅ〜ん、そっかそっか」
志希はそう呟くと、ちゅーっとストローでジュースを吸い上げる。
フレデリカは愛おしそうにそんな志希を眺めて口を開いた。
「それとねー、フレちゃんこれから旅にでるんだー」
「へえ、何処行くの?」
「ふっふーん、あてのない一人旅!」
アチョーと下手な中国拳法ような構えをする。
「フレちゃんは山籠もりをして誰も手の届かない存在となるのだ!」
志希は目を少し大きく開くと、にゃははと笑いながら尋ねた。
「すっごーい!その一人旅、あたしもついて行っていい?」
同じくフレデリカも笑いながら答える。
「一人旅に二人…二人旅!?効果2倍じゃーん!もちろんいいよー!」
「ほんと?ありがとー!じゃあこの一ノ瀬改め二ノ瀬に何なりとお申し付けくださいませ〜♪」
「頼もし〜♪よろしくね、シキちゃん♪」
思いつきだけで言っているような二人の会話を猫は冷めた目で見つめ、
大きなあくびをすると再び目を閉じた。
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