天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
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◆FreegeF7ndth
[saga]
2020/05/11(月) 23:25:21.10 ID:i9qakCF1o
※12
驚くべきことに、俺と765プロの契約は残っている(契約解除だと俺は勝手に思っていた)。
俺が『空を飛ぶ』ことを渋っていたことや、リスク軽減のため高さをギリギリまで下げたことが、
(朋花には『低いほうが観客に近くてパフォーマンスが強く伝わる』と言いくるめた)
彼らから見ると、ある種の免責に値するらしい。
事故原因なんてもっとちゃんと調べんとわからんはずだが。
会場の人は「イレギュラーな低さでやるからおかしなことになった」ぐらいの文句は言いたいだろう。
ともあれ俺には、朋花やその周りともうしばらく付き合う義務が残っている。
「……困りましたね〜。
あなたが信じてくださらないのであれば……私は、きゅうり畑のカカシです。
幸を下す力がなくなってしまいます」
朋花はMac Bookをぱたんと閉じて、あざといほど可愛らしく小首をかしげた。
そんな力、もともとないだろうと言ってやりたかった。
十人や百人ならともかく、数千や数万以上の他人に『幸を下す』力がふつうの少年少女へ宿るものか。
しかし言えなかった。
アイドルとそのプロデューサーは、そういう無いものをあると思わせる職業だから。
「なに、俺もハナから朋花を信じないわけじゃありません。
その証拠に、朋花がそんなに元気だったなら……と思って、キツめの課題を用意してきました。
受けるかどうかは朋花しだい、ですが」
俺は朋花に、クリップ留めの企画書とUSBメモリを手渡して読ませる。
「……私が、私の歌を……作る……?」
「もちろん私も面倒を見ますが、クレジットはあなた名義になります。
私だけだと甘くなりそうなんで、辛く見てくれそうなアレンジャーに渡りをつけています」
入院の暇つぶしのために朋花にDTMを勧めたわけじゃなかった。
ただ、今となっては、俺が喜んで与えられて、かつ朋花が喜んで受け取ってくれそうなものは、
それしか思い浮かばなかった。少なくとも、765プロにいる間はそうだった。
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