天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
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13: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/05/11(月) 23:24:46.76 ID:i9qakCF1o

※11

「……あら〜、プロデューサー。遅かったですね。『聖母』が、首を長くして待っておりましたのに」

 落ちてケガをした朋花は、都内某所の大病院で、病棟最上階の個室に入院していた。
 ベッド代がとんでもないことになりそうだ……と心配になったが、
 どうやら、この特別待遇は天空橋家のコネによるものらしかった。恐るべし。

「……先に、朋花のおうちにも、顔を出してきましたんで」

 事務所としては、そういう部屋のほうが、変な人が押しかけてこなくて助かる。

「退屈そうですね、朋花」
「退屈だなんて〜、そんな……」

 朋花のケガは、身体的な後遺症は免れた。
 飛ぶ高さをギリギリまで下げておいたおかげか、墜落の衝撃もそれなりに収まったらしい。
 どうせなら、衣装は3Mあたりにフルハーネスで作ってもらってればよかった。

「静かで、お見舞いもご遠慮いただいているおかげか、お勉強がはかどりそうです」

 朋花は『勉強』といったが、ベッドの上にはMac bookとミニキーを乗せていた。
 俺が譲ったのはシルバーだったが、朋花はお好みでなかったらしく青いカバーをつけている。

「父なる神は乗り越えることができる試練だけを賜います。焦らずしっかり療養してください。
 みなさんは『聖母』の帰りをいつまでも待っています……ですって、朋花」

 朋花は珍しく目を丸くした。

「……『ですって』、とは?」
「朋花のうちで、お父さん・お母さん・『天空騎士団』と『子豚ちゃん』の皆々様から、伝言を頼まれました」

 俺は伝言をもらったとき、『皆々様』がたが、事態をイマイチ理解していないと思い、何度か聞き返した。
 朋花が『聖母』どころか危うくホトケさんになりそうだったんだが。再説明しても伝言はそのままだった。

「いつまでも待って……ですか。プロデューサー。あなた、どう思われます?」
「いつ……死がふたりを分かつまで、よりかは早いと思いますよ」

 ふだんの朋花なら気分を害する茶化し方をしたのに、今の朋花はため息一つで流した。

「時は、私についた傷を癒やし、そして私のことを忘れさせもします。甘え過ぎは、禁物です」

 生き急いでるったらない。親鸞聖人みたいだ。宗教家(?)ってそうなるものなのか。
 生き急げるのは、アイドルの才能の一つだが。

「……朋花は元気そうで」
「おかげさまで〜。お医者様もご尽力くださいましたし、あなたが高さを下げてくださったおかげか、
 治りも早いようで、近いうちにダンスレッスンにも復帰できる見込みです〜」

 朋花の転落事故はけっこう話題になっている。
 朋花のキャラと衣装・演出的にも、墜落はインパクトがあった。
 業界全体で、宙吊りパフォーマンスが自粛ムードになりつつあるとのウワサも聞く。

 そういえば『聖母』って労災がおりるのだろうか。

「まぁ、私はあまりアテにしないことにします」
「あなた、『聖母』の言葉が信じられないとおっしゃるんですか?」
「朋花のような心優しい人は、落ち込んでいるときに誰かから励まされると、
 別に元気が出ても居ないのに励ましてくれた人を気遣ってカラ元気出してしまうもんですから」




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