天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
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21: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/05/11(月) 23:30:02.49 ID:i9qakCF1o

※19

「あんな文面……そうですね。ご無理、申し上げました。
 すみません……そして、ありがとうございます」

 そのような感じで、俺はできるだけの警戒をしていた……のに、
 朋花は時間通り空港にやってきて、一見まともな風体だから、俺は少し拍子抜けした。

「どこか行きたいところがあれば、乗ってください」
「座って、落ち着いて話せるところであれば、どこでも」

 こっちは東京と違って、アイドルが都合よく使える隠れ家など無い。
 この街は、俺が家に籠もってDTMやるぐらいしか楽しみを見つけられなかったぐらい、何も無い。

「朝早いし、なかなかありませんよ……俺の家でいいですか」
「あなたがよろしいのであれば、そこでお願いいたします」

 朋花を乗せようとして、ふと、彼女が両腕で抱えている大振りなカバンが気になった。

「ところで……あれ、持ってきましたか」

 本当に、Mac Bookとミニキーを持ってきたんだろうか。
 だとしたら、坂道や段差でガチャつかないように積まねばならない。
 そうヤワではないはずだが『機材は運べば壊れる』という言葉がある。

「ええ……この通り」

 朋花が、パチンと音を立ててカバンを開けて見せてくれる。
 中にはMac Bookとミニキーしか入っていなかった。
 ご丁寧なことに、朋花が後付けしていた青いカバーは剥がされていた。

「俺はやったことがないので、知ってたら教えてほしいんですが」
「……なんでしょうか」
「空を飛んでるとき、作曲はできました?」
「はかどりませんでした。オススメしません」

 機材をふたりで固定してから、朋花を席に座らせる。
 そういえば、俺が天空橋家の門をくぐることはぼちぼちあったが、
 朋花にうちの敷居をまたがせることは今までなかった。うちと言っても俺の実家じゃないが。

「ではうちに回します。家畜小屋よりマシだといいのですが」

 当てこすりのつもりだった。『聖母』がいきなり押しかけるといったら家畜小屋だ。

「ありがたいことです〜……『聖母』には、戻れそうもないので」

 朋花は当てこすりと受け取ってくれなかった。

「……続きは茶を淹れたあとにしてください。それ、ノドが乾きそうな話でしょう」

 メールの送信予約をそのままにするべきか考えながら、クルマもまばらな市道を家まで流した。



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