鷺沢文香さんが痴漢させたり自撮りオナニーを送りつけてくれる話
1- 20
16: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/06/14(日) 23:31:56.70 ID:KnKXCR6go

「ひぁ、あ――あ、あなたっ♥ あなたは、きもちいい、ですか……っ♥
 こんどは――あっ、ひくっ、ぁああうっ♥――い、いっしょに……い、イキたい、ですっ……♥」

 スマートフォンごしの、必要最低限の音質だというのに、
 私は、あなたが興奮で荒げた吐息が、すぐそばから耳と鼓膜にあてられていて、
 まるで対面座位か何かでひっしと抱き合っているかと、そんな幻覚に飲まれます。

「う゛あ゛っ!! あ゛あっ♥ あなたぁ――わらひで、きっ、きもちよく、なって、ぇ――っ♥」

 片手は端末を、残りはヘソの下か子宮のあたりを愛撫していて、
 膣内はまったくのお留守ですが、あなたのチンポを迎え入れたように、びくびくして、痙攣が止まりません。

「あぁっ……♥ あっ……も、ら、ぁ、まら、イッちゃ……♥
 しきゅう、よろこんで、きもち、よすいて、えっ――だ、め、わたし、も――んんっうぅうっ♥」

 頭が、真っ白になって、また達してしまいました。あなたは、まだ……。
 そんなすれ違いを繰り返すうち、私の心と体は、甘イキに絡め取られ、イキっぱなしになり、

「い、いきゅ――ひ、いぁあっ♥ いってぇ、いつでも――ぁ、あっ、あぁああぁ……っ♥」

 ……これで、あなたがいつ達してもだいじょうぶだ……♥ と、思いました。

 あとのことは、よく覚えていません。通話は、いつの間にか切れていました。

 子宮は、おとなしくなっていました。また幸いなことに、びしょびしょのラグを拭き、
 ベッドシーツを洗濯機に放り入れるぐらいの元気は残っていました。





 ……その告白をあなたへ語って聞かせると、あなたは……私を心配なさってくださいました。
 あなたは「自分のせいで、鷺沢文香が道をどんどん踏み外しているのではないか……」などと。

 私は、笑ってしまいました。あなたも、外道の道連れではありませんか?



 私は――あるいは、私「たち」は――おのおのの立場を危険にさらして、
 それゆえに愛欲が深いと相手に感じさせています。常軌を逸するほど。

 痴漢やら、オナニー動画を送りつけるのやら、通話しながらオナニーし合って、
 それで理性が溶け落ちるほど幸せって……そういうことではありませんか?
 見られてはいけない秘め事を、わざわざ発覚の恐れを帯びるようにして、楽しみさえ……。

 しかしこの関係が露見して、立場が本当になくなったとき、それも感じさせられ得なくなります。
 私は、それを……。



 ……そうですか。
 もう……やめに、しますか。

 いいえ、嬉しいです、本当に……だから、ハンカチではなく、胸をお貸しください。

 あなたが、単なる痴漢であれば、私の危惧など気にしないはずです。
 痴漢とは――また三島さんの受け売りですが――「絶対に女を人格的に愛し得ない男」でして……。

 たとえ、あなたが欲する私が、私の体だけであっても、
 私は……とも、考えてはいましたが……。



「あと……その――『不道徳教育講座』――です。
 その本、私の私物なので、お貸しいたします。
 お読みいただいて……あなたのご感想も、うかがいたいです」

 世間ではいろいろと言われている本ですが……。
 私とあなたのような種の人にとっては、鋭く突き刺さる寸鉄があちこちに仕込まれています。

 ぐさりとやられた傷跡をあなたと舐め合えたら、また私は嬉しく存じます。
 誰にも、見つかりそうもない時と、場所で……。

(おしまい)



・あとがき
都会って、乗降駅の間を遠回りしても運賃変わらないのです。
>>1は田舎者かつ鉄道知識も某なんなん以下なので、初めて知りました。
ご高覧いただきありがとうございました。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
19Res/58.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice