161: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/06/21(日) 10:36:20.34 ID:lC9BLfZd0
『F.E.C.O. Simulator』
…
…
「…くそっ」
ゴミ捨て場にうずくまって、男は毒づいた。
今の状態では幹部連中には、とても勝てない。人々は追い詰められていく。何より、彼らを守ろうとすれば、反撃の口実を与える。
「どうすれば…」
「…紫電、燈」
「…?」
頭上から飛んできた声に顔を上げる。
そこには、一人の女が立っていた。
「誰だ…?」
「あなたと、志を同じくする者。ただ、あなたと違って…わたしには、勇気と力が無かった」
「…ミライシャか」
「これを」
女が、青いカセットを差し出した。表面には、シャチの絵が刻まれている。
「!!」
「あなたが取り損ねた分。今は、これだけ」
「…良いのか。見つかったら、殺されるぞ」
「上手くやる。信じて」
そこまで言うと、女は彼に背を向けた。
「ま、待ってくれ! あんた、名前は」
「名乗らない。お互い…いや」
彼女は、自嘲するように口元を歪めた。
「…わたしの、安全のために」
「そうか…」
ゴミ捨て場を去っていく女を、紫電はちらりと見て、それから青いカセットに目を移した。
…
…
553Res/220.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20