36: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/06/18(木) 19:12:52.52 ID:WnA11Dh10
「今日から、実働部隊の総隊長になった。兎走 雷火(とばしり らいか)よ」
整列した兵士たちの前で、その女は言った。
紫がかった黒髪を後ろで1つに括り、厚い眼鏡を掛け、グレーのスーツにタイトスカートを着ている。スーツの上からでも分かるほどに、胸と尻の充実した、若い女だ。とても戦闘部隊を率いるようには見えない。
「女だから、と見くびる者は、この場にはいないでしょうね? 少し前までは、私もそこにいたもの。それに」
雷火の姿が揺らめき…次の瞬間、そこには全く別の存在が立っていた。
髪は金で、瞳は紅色。スーツは消えて白いふわふわのレオタードに変わり、むっちりとした脚には網タイツと鋭いヒールを履いている。頭頂部からは、長い耳がぴんと伸び、その周囲には黄金色の稲光がパチパチと煌めいていた。
「…リーヴォに、性差などという下らない概念は無い」
リーヴォ。『Evolution(進化)』『Revolution(革命)』『Reborn(再生)』を語源とする、人類の進化系。選ばれた人間のみが、死の危機に瀕したときに迎える、生命の新たな段階。
___人類の、敵。
「社長が目指される、リーヴォの楽園は近いわ。私の指揮のもと、お前たちが目標に貢献してくれることを期待する」
兎の怪人が、元の雷火の姿に戻る。
雷火は、右手を振り上げて叫んだ。
「リーヴォの理想のために!!」
「「「リーヴォの理想のために!!」」」
兵士たちが復唱する。それを満足気に聞くと、彼女は彼らの前を去った。
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