【安価・コンマ】ハーレムシミュレーター
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245: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/07/04(土) 20:16:58.15 ID:+JPeO4TN0
「…タルスム」
「かしこまりました」
マリアが頷く。
「タルスムの領へは、西の草原を通る必要があります。ただいま、手配いたしますね」
…
馬車に揺られて草原を進む。少し前から、白いテントのような小さな建物がぽつぽつと見え始めた。家の周りには、羊が群れをなして、草を食んでいる。
やがて、草原から砂の平原に変わる頃、向こうに宮殿が現れた。クリストラの城と同じくらいの大きさだが、石造りの門や尖った屋根など、かなり趣が違う。
そして、門の前には大勢の人々が整列して、馬車を待っていた。目を凝らすと、やはり一人残らず女であった。
「お、おお…」
馬車が、人々の列に近づく。前列に並んだ、楽器を持った人々が、一斉にファンファーレを鳴らし始めた。大量の花びらが宙を舞い、アスラの乗った馬車を出迎える。
門の手前で、アスラは馬車を降りた。
待っていたのは、マリアと同じか、少し若いくらいの背の高い女であった。タルスムらしく褐色の肌に、桃色の髪をセミロングにした柔和な顔つきの女で、黒いビキニトップに巻きスカートという露出の多い格好をしている。
「タルスムを代表して、サーラがご挨拶申し上げます。……『おかえりなさいませ』、勇者アスラよ!」
恭しく頭を下げるサーラに、アスラは眉をひそめた。
「おかえり? ぼくの家はクリストラだよ」
「確かに、今はそうでしょう」
サーラは膝を突き、彼に目線を合わせた。
「ですが…ご存知ですか。勇者シーヴァのお父上…つまり、貴方様のお祖父様は、我らと同じタルスムの生まれなのですよ」
「えっ、そうなの?」
「ええ。そもそもシーヴァ、アスラとは、タルスムに古くから伝わる神の名前。いずれも勇敢なる戦の神でございます。何より」
アスラの頬に手を伸ばし、言う。
「その、瞳…クリストラのものとは違う黒い瞳こそ、タルスムの血の証。だから、ここは貴方様の、第二の故郷なのですよ」
「そ、そうなんだ…」
サーラは立ち上がると、背後に控える人々に命じた。
「さあ、宴の始まりです。若き勇者を、我らの宮殿にご案内なさい」
アスラは金と宝石で飾られた輿に乗せられると、そのまま門をくぐり、宮殿の中へと入っていった。門の前で引き返し、クリストラへ帰っていく馬車を、アスラは輿の上から名残惜しそうに眺めていた。
…
輿に乗り、大理石の広間を横切る。向こうには玉座と、たくさんの料理の載ったテーブルが用意されている。
「すごい、鏡みたい…」
大理石の床を見下ろしながら、アスラが呟く。丹念に磨き込まれた床は、確かに鏡のように輿やそれを担ぐ従者たちの姿を映し出している。
「古の、偉大なる王が考案したものです。後ほど、この床でお愉しみいただけますよ」
サーラが意味深な笑みを浮かべた。
玉座の前で、輿を降りる。促されるまま玉座に座ると、料理を載せたテーブルが彼の前に移動してきた。一緒に来た女たちも、それぞれの席につく。
「長旅でお疲れでしょう。タルスムの料理をご用意いたしました。お口に合えば幸いです」
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