5: ◆b6RliPUDMY[saga]
2020/09/16(水) 00:55:48.21 ID:h/eO9laU0
俺とツクヨミの出会いは、月の美しい晴天の夜の事だった。
〜
俺は竹倉大和。
獣医をしていて、そこそこの評価をもらい、まあまあ裕福な生活を行なっていた。
ある夜、俺が買い物先から自宅兼病院に帰っていた時。
「……………ゃ…………」
俺「………今の声は………?」
闇世の中から聞こえたか細い猫の声に気付いた俺がその声の出ところを探してみると、道路の脇に血だらけの黒猫の子猫が転がっているのを見つけた。
俺「おい、大丈夫か………!?」
触診してみれば、脈が弱い。
それに車に跳ねられでもしたのか背中に酷い傷がある。
俺はその子猫を抱き上げ、自宅兼病院へと連れて帰るために走った。
俺(死なないでくれよ………!)
月明かりに照らされたその子猫の黒い毛は、妖しく、美しく光っていたのだった。
〜
あれから2年。
その時の猫が、今のツクヨミだ。
俺「ツクヨミ〜」
ツクヨミ「にゃ〜ん♡」
なぜこの子に月神の名をつけたかと言うと、ツクヨミを拾ったあの夜の月がとても綺麗だったのと、あの時の傷の痕周りの毛だけが大きい三日月の形になり、綺麗な黒い毛とあいまって闇夜に浮かぶ月のように見えるからだ。
俺「じゃあお仕事に入るから、またお留守番していてね、ツクヨミ」
ツクヨミ「にゃ〜」
〜
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