【安価・コンマ】ハーレムシミュレーター 第二部【R-18】
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36: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/10/04(日) 17:47:03.09 ID:IwfeITvz0
 中から飛び出してきた人物を見て、アスラは目を丸くした。
 どうやら、上等なドレスを着て『いた』らしいことは分かる。しかし、上質な水色の布は泥や木の葉がくっついていて、スカートには大きな裂け目が入ってしまっている。靴も靴下も履かない裸足は泥だらけで、波打つ美しい金髪は粗末な麻紐で無造作に後ろで括られている。そんななりをしながら、少女の緑の瞳はきらきらと輝いて、興味津々にアスラを見上げていた。

「この人が、勇者アスラなの、『お兄様』?」

「ああ。初めて見た感想は?」

「思ったほど背が高くないのね。…あたしはクリスタ。よろしくね」

「そして俺は、こいつの兄貴。つまりは王国の王子様ってわけだ」

 にっと歯を剥き出すと、男は片手を差し出した。

「…ヘンリだ。俺からも、お前に言いたいことがあって来た」



「嫌よ」

 アスラの勧めを、クリスタは一蹴した。

「君の命が危ないんだ」

「お父様に頼み込んで、せっかくここに来れたのに。出ていけだなんて、あんまりだわ」

「今、クリストラ領では妊婦を襲って流産させる奴がいるんだ。君だって、おれの子を身籠ったら襲われることになる」

「平気よ。悪いやつは、皆ミノ太がやっつけちゃうわ」

 そう言うとクリスタは、小屋の隅に座り込んでぼうっとしている、一人の女に目を向けた。辛うじて女の形をしているが、全身を茶色い毛に覆われ、頭から尖った角を二本生やした肉付きの良すぎるその姿は、どちらかと言うと牛に近い方の獣人であった。大きな団子鼻に燦然と輝く金色のリングも、牛感をより際立たせている。

「…それに、あたしはあんたと子作りするために来たんじゃないわ」

「えっ?」

 クリスタは、きらきら輝く目で言った。

「本当は、お兄様みたいに世界中を旅したい! でも、お父様は駄目って言うから…せめて、世界中の人や文化を集めたこの後宮で暮らせないか頼んだの。そして、来た」

「ま、そういうわけだ。こいつのことは、放っといてもらって構わねえよ」

「そう言われても…」

 困惑するアスラに、今度はヘンリがずいと顔を寄せた。

「…そんなことより、お前さんに一つ、提案がある」

「…な、何」

 眉をひそめるアスラ。ヘンリはにっと笑うと、声を潜めて言った。



「…ここを、出てみないか」


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