【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【1頁目】
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122: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2020/10/07(水) 20:01:26.87 ID:zUEGVc1vo
√ 2018/07/30 昼 (丸亀城)


陽乃はみんなが集まっている食堂には向かわなかった。

若葉達と話したその足のまま日陰になっている石垣を探して腰かけると

朝のうちに用意しておいたおにぎりを鞄から取り出して、一口かじる

世界が奪われてしまう以前の陽乃には、到底考えられない食事だった。

以前の陽乃には、必ず傍に人がいた。

慕ってくれる人、ただ仲良くなった人

陽乃はすべての人に愛されていたとは思っていないし

嫌っている人もいるだろうことは自覚していたが、それでも愛してくれた人がいたと思っている。

それが今は、欠片もない。

殆どの人が奪われた。

あの日、陽乃の願いは聞き届けられることなく即座に避難させられなかった結果だ

護れた子もいる

けれど、ほとんどすべてを失って――

陽乃「……あっ」

無意識に力が入って、握りつぶしたおにぎりが崩れて地面に落ちる

どれだけ時間が経とうと、あの日の後悔は消えてはくれない


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