【ミリマスR-18】初体験同士のPと莉緒が一夜を共にする話
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18:夢の半ば 17/17[sage]
2020/10/23(金) 18:29:55.00 ID:W50xWqsD0

「莉緒ちゃん、あと15分ぐらいで着くって」
「ああ、思ってたより早いですね」
「三人揃ったら投げましょ」
「俺、ダーツ苦手なんですよ。真ん中になんてロクに当たらなくて」
「大丈夫よ、お姉さんが優しく教えてあげるから」

 このみさんの行きつけらしいダーツバーの店内は、さほど広くは無かったが、居酒屋のような騒がしさも無く、今日みたいに落ち着いた気分でいたい時にはうってつけだった。

「プロデューサー、はい、お疲れ様」
「お疲れ様です」

 モヒートを注いだグラスと、カシスオレンジを注いだグラスが涼し気な音を立てた。何となく、こういう店ではビールやサワーは合わない気がした。酸味が舌をチクリと刺し、ミントの香りが口から上って鼻へ抜けていく感覚は、ちょっと馴染みが無い。薄暗い店の中の、カウンターの端。他の客から見えにくい位置だったこともあって、隣に座るこのみさんを眺めるような視線は感じられなかった。

「ねえ……あの日、莉緒を送っていってから、何かした?」
「え? いや、酔い潰れてたみたいだし、普通に送っていっただけでしたよ。多少話はしましたけど」
「本当にそれだけかしら〜?」

 右隣から、疑惑の視線が刺さる。多少の話どころではなかったのだが、「莉緒と寝た」なんて流石に口にできなかった。何かを言う代わりに、皿の上にあったカシューナッツを雑に口へ放り込む。

「最近、莉緒がお酒で荒れなくなったのよね。モテないことを愚痴るような言動も減ったし。プロデューサーがガス抜きしてあげたのかな、って思ったんだけど」
「いい仕事取れたからじゃないですか? この間出演したバラエティ番組、結構芸人達からチヤホヤされてたんで」
「へー、そんなことあったんだ。うーん、果たしてそれだけで変わるものかしら……」

 ――丁度いい理由があって助かった……。

 あれから数週間。あの日から俺と莉緒の間で特別にお互いの態度が変わることは無かったし、どちらからもあの日のことを話題に出すことは無かった。控室で偶然二人きりになった時も、不思議なぐらいにフランクな雰囲気でいることができた。あの夜のことは現実だったと、少なくとも俺は、実感しているはずなのに。

 シーザーサラダが運ばれてきた時、私用のスマートフォンが何かを受信した。お手洗いに立つ、と断ってその場を離れて画面をちらりと見ると、メッセージ受信の通知だった。個人宛のメッセージの送り主は俺の名前を告げてから、鏡の前で撮影した自撮りの顔を三枚送りつけてきた。澄ましたクールな顔と、挑発的でセクシーな表情と、あの日に見せたスマイル。どの顔が一番グッとくる? と問いかけてきた送り主に、どれもいいけど、三枚目の笑顔は甘えたくなる感じがする、と回答した。あの日以来、まだ画像でしか見ていないあの顔が、時々、無性に恋しくなる。

 俺はまだまだ、夢から醒めていないようだった。



 終わり


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