【ミリマスR-18】秋月律子「私、悪い子になっちゃいました」
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2:悪い子 1/20[sage]
2020/11/14(土) 23:55:30.57 ID:LClhfPZl0

 事務室の時計の針はさっき見た時からもう1時間経っていた。居残りレッスンをするアイドルの相手をしていたら、〆切の迫った書類がすっかり後回しになってしまっている。やっつけてもやっつけても、終わりが中々見えてこない。

「プロデューサー、ここの読点の位置、間違ったままになってますよ? 提出前に再修正、お願いします」
「ええ〜マジかよ。さっき直したはずなのに」

 書類の校正を頼んだ律子から、無情にも朱入りの紙が突き返されてきた。減らしたはずの仕事は瞬く間に元通りだ。

「後は見た所大丈夫ですけど、まだ済んでないのがあるんですよね?」
「まぁ……そうだ。ただ、〆切が明日の書類はこれの修正だけだから、残りは一応明日でも……」
「そう言って、〆切を伸ばしてもらったことが、今まで何回ありましたっけ?」

 耳の痛い話だった。正確な数が分かるわけもなく、俺は肩をすくめるしかない。

「だけど律子、今日はもう遅いし、先に上がってくれ。明日来た時に書類は見られるようにしておくから」
「そう言って、泊まり込みになったりしませんよね? あずささんも心配してますよ」
「それは大丈夫だ。今晩済ませることだけ済ませたら、俺も帰るよ。長時間パソコンに向かい過ぎて作業効率が落ちてるから、一度まとまった睡眠を取ってリセットをかけた方が良さそうだ」

 夜の事務室のどこかぼやけた空気の中、朝から働き詰めだった頭がシャキッとしていないのが自分でも分かる。このままでは、時間を浪費した挙句作業は進んでいないという空虚な事態にもなりかねない。

「……分かりました。それじゃあ、お先に失礼します。プロデューサーも、早めに上がって下さいね」

 そう言って、律子は荷物を持って一礼し、事務室を後にしていった。青羽さんも定時で既に帰っていた。ドアの閉まる音を最後に、空間に流れるのはパソコンのファンの音ぐらいのものとなった。

 律子が退勤してからしばらく。朱入れされた書類の修正は無事に終わったが、残りの作業が難航していた。溜息が漏れる。頭の中がすっきりしていない原因が、椅子の上に乗せた尻の上でカチカチに硬直している。腹とデスクを密着させて机の陰に隠していたから、律子には悟られていないはずだ。不審な視線も感じなかった。
 解消法を求めて以前に調べてみたことがあるが、いわゆる疲れマラというのは本当に疲れが要因の一つであるようで、人体が体力の限界を感じた時に分泌されるホルモンの影響を受けているらしい。性的興奮が無くても男性器に血液が集まる現象というのは困ったものだ。その気が全くなくても、勃起していると脳が感じ取れば勝手に昂りを覚えてムラムラしてしまう。そういう対象としては見ないよう心掛けているとはいえ、こういう悶々とした気分の時に担当アイドルがすぐ近くにいたのも、いい状況とは言えなかった。
 PCのモニターはもう十分近く動いておらず、スリープモードに入ってしまった。最低限済ませなければならない作業はあと少しであったが、明日も出勤すればしたで、自分自身の業務は後回しになるに決まっている。出来るだけの事は今夜中に済ませておきたい。そうなると、限られた血液を奪い取って頭を使った作業の邪魔をするこの不届き者を、どうにかして鎮めなければならない。しかし、一人で鎮めるには、この事務室はあまりにも開けている。

 戸締りの完了していない劇場内だったが、もう残っている者は誰もいない。廊下の電灯こそ点いていたが、事務室の他は全て真っ暗になっていて、革靴の立てる足音が暗がりに吸い込まれていくようだ。事務室からここまで歩いてくる間、股間が突っ張って歩きづらいことこの上無かった。
 休憩室の電気をつけて、置かれていた椅子の上へ雑に腰かける。部屋の奥で丁寧に畳まれた、主に女性が使う布団を自分が使うわけにはいかなかった。スマートフォンでインターネットができるのだから、おかずになるようなものなんて探せばいくらでもあった。成人向けの動画サイトにそれらしい候補を打ち込んで、自分の性癖に刺さるようなものを適当に見繕う。サムネイルをちらっと見ただけですぐさま動画の再生ボタンをタップした。音声はさすがに絞った。
 早速、ファスナーを開いて、狭苦しく押し込められた性器を解放する。臭いを残すのもしのびなかったので、目薬や胃薬を入れている巾着に入れていたコンドームを被せた。学生の頃からそのまま使っている巾着だ。どうせ、ゴムも役目を果たせなくなっている。
 感傷など無かった。単なる性欲処理であり、ガス抜きに過ぎないのだから、さっさと発散させてしまうに限る。掌よりも高い熱を発するそれを握りしめ、何百と繰り返したルーティンワークを開始した。昂りをそのまま放置していた時間が長かったからか、擦り始めてすぐに、じんとした快感が込み上げてくる。最後に一人で処理したのはいつだっただろうか。


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