佐久間まゆ『太くて固くて大きくて電撃を発するもの』
1- 20
10: ◆3jMo9iZPSE[sage saga]
2020/12/24(木) 16:08:08.51 ID:NmyA4jSa0
   *

 ある時期から、佐久間まゆの人気が急上昇した。
 きっかけらしいきっかけはない。前後に特別大きな仕事があったわけでもなく、それまでと同じような仕事を、それまでと変わらない頻度でおこなっていた。ブレイクの理由は、まゆ自身の変化によるものだった。
 具体的になにがどう変わったのかと言われると、説明は難しい。曖昧な言い方をすれば、雰囲気が変わった、表情や立ち振る舞いに蠱惑的な魅力が宿った、といったところだろうか。
 16歳、大人と子供の境目のような年齢である。多くの人々はこれを、蝶が蛹から羽化するような、少女から大人の女への変化であると思った。
 しかし中には穿った見方をする者もいる。「恋人ができたのではないか」と。
 相手については、手掛かりのひとつもない。ただし内部の人間にとっては、まゆが自分の担当プロデューサーに恋愛感情を向け、さまざまなアプローチを繰り返していたことは周知の事実である。
 よって、「あいつ、とうとう手を出してしまったのか」と思う者も、少なくはなかった。

 これを否定できる人間はふたりいる。まゆと、そのプロデューサーだ。なにしろ身に覚えがないのだから。
 だからこそ、プロデューサーは悩んだ。まゆのこの変化はどこから来たのか?
 特に理由はない、単純に成長によるものであるならいい。しかしもしも、万が一、巷で言われているように男ができたのだとしたら。
 思えば、心当たりはあった。
 かつてはボディタッチが多く、距離が近すぎるとプロデューサーを困らせてきたまゆが、一時期極端に接触を避けるようになっていた。手を払いのけられたこともある。直後に丁寧な謝罪をしてくれたが、内心かなりのショックだったことを覚えている。
 あれは、まゆの心が自分以外の誰かに向いたという証拠なのではないか?


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
15Res/15.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice