【安価】続・ハーレムシミュレーター 第二部【R-18】
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779: ◆WEXKq961xY[saga]
2021/02/11(木) 17:04:47.18 ID:MCJg4HP/0
「海原を駆け…遥か東の国へ…」

 後ろから覗いていたユィーキが、ゆっくりと声に出す。

「太陽の源へ…愛し姫の郷へ…」



「…!」

 簾の向こうで、影が動く。



「父を偲ぶのは、この場に立ち会えばこそ」



 言い出したはずの皇太子の顔が、少しずつ青褪めてくる。



「…この尊き国を永らえさせた、我が父よ」



 水を打ったように、静まり返る謁見の間。
 やがて、簾の向こうから手を叩く音が聞こえてきた。それから堰を切ったように、その場にいた全員が拍手した。

「汝をここへ招いて、本当に良かった…!」

 皇帝が何か囁くと、何と簾が上まで開き、中から金の衣装に身を包んだ、年老いた男が姿を現した。

「!! アスラ様!」

 ランファンに促され、跪いたまま深く頭を下げると、皇帝は自ら段を下り、アスラのもとへ歩み寄ってきた。
 アスラの肩に手を置き、言う。

「異国の者でありながら、礼を尽くし忠に篤く…詩は、歴史に残るほどの腕前。何より、父への孝もわきまえている。…面を上げよ」

「…」

 顔を上げると、細く白髭を伸ばした男の顔は、思いの外痩せこけて、震えていた。しかし、その目だけは爛々と輝いて、アスラを見ていた。
 気が付くと、その場にいた人々は…ランファンやユィーキ、フェイグゥ、それに皇太子までもが、その場に平伏していた。

「この条の、残り僅かな終生の友となってはくれぬか。勇者の子よ」

「あ…ありがたき、幸せに…」

 ランファンから教わった一節を、たどたどしく絞り出すと、彼は満足げに頷いて玉座へ戻っていった。
 従者が、詩の書かれた半紙を、慎重に持ち上げて回収していった。


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