【ミリマスR-18】木下ひなた(経験済)にPが迫られてしまう話【要注意】
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15:あたしと遊ぼうよ 13/14[sage saga]
2021/01/13(水) 00:07:48.01 ID:KW2lxJ3l0
 翌朝、目が覚めると鼻で呼吸をするのが酷く苦しかった。いや、呼吸をするのが苦しかったのではなく、呼吸できなくなって目が覚めたのだ。昨晩は何とも無かったはずなのに、鼻詰まりを起こしていた。頭痛、腹痛、関節の痛み……いずれも無い。念のために鞄の薬袋から取り出した体温計を脇に挟む。程なくしてアラームが鳴ったが、至って平凡な三五.八℃だった。

 妙に冷える。横になる前に感じていた温かさが無い、と思ったら、ひなたの姿が無かった。俺が寝ている間に部屋に戻ったのだろうか。鼻をかみたくてティッシュペーパーを取ろうとしたが、昨晩引き出した形跡が残っていないことに気が付いて手が止まった。ゴミ箱には丸めたティッシュどころか、コンドームも無い。
 テーブルの上には、ウイスキーボンボンの箱が置かれている。封は解かれていたが、手渡された時に比べて重かったような気がした。蓋を開くと四つほど無くなっていたが、俺も摘まんだのだから、もっと減っていなければおかしい。詰め合わせチョコレートの箱はここに無いのだから、昨日ひなたと箱の交換をしたのは確かだ。ビールの缶も、飲み干したそのままの位置に残っている。

 脳裏に鮮明に残っているはずのひなたのあられも無い姿に、霞がかかり始めた。中途半端に昨日の痕跡が残っているのに、あるはずのものが無くて、無いはずのものがある。体には、女を抱いた後特有の気怠さがまだ残っている……ような気がするが、それも不確かに思えてきた。ベッドに残り香があるかどうか、詰まった鼻では確かめようも無かった。力の限りに鼻をかんだ後でさえも、普段通りの嗅覚は戻ってこなかった。

 頼んでおいたランドリーサービスから着替えを受け取って身支度を整える内に目が覚めてきた。だがそれでもモヤモヤした気分のままでロビーに向かうと、ひなたは先にソファーへ腰かけて待っていた。

「あ、プロデューサー、おはよう」
「ああひなた、おはよう」
「ありゃあ、なんだか鼻声だねぇ。風邪でもひいてしまったかい?」

 のんびり話すひなたは、疑いようも無く木下ひなただった。

「チョコレートの詰め合わせ、美味しかったよぉ。少し食べてすぐに寝てしまったっけ、残りはお家に戻ってから食べるねぇ」
「すぐに……」
「?? どうかしたかい?」
「いや、何でもない。それより、そろそろ出ないとな。チェックアウトまではまだあるけど、東京に戻るまでは時間がかかるから」

 朝食をどこでとろうか、お土産は事務所にどのぐらい持っていくか、そんな話にひなたは素朴な相槌を打っている。ほんわかした雰囲気に鼻の調子まで元に戻りそうなぐらいだったが、同時にそれは、あの熱い夜が夢か何かだったのではないかと疑う――あるいはそう解釈したがる――心理も生み出していた。

 しかし、宿泊先を後にするとき、木下ひなたは、囁くように……確かにこう言った。


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