【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【3頁目】
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937: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/06/01(火) 00:01:04.62 ID:pJHqbQGwo
諏訪の周囲に漂うだけだった白い塊たちが、一斉に向きを変える。
何かしているぞと、遠巻きに見ていた少女の異質さが跳ねあがったからだろう。
見逃してはいけないと、
許してはいけないと、
惹かれたように、導かれたように、
白い粒は一つの大きな塊ともとれるほどに群がって、
諏訪の結界の手前に立つ赤黒い巫女装束に身を包んだ ” 異物 ” へと降り注いで――
陽乃「そうそう……それでいいのよ。それで」
陽乃は、体の中にたまった力を一気に解き放つ。
辺りを埋め尽くしていたバーテックスの白さが消え失せて、黒く染まる。
見えていたはずの太陽さえも見えなくなるほどの暗闇。
朝から夜へと、時が飛んだかのような静寂さに包まれて
ふっっと、陽乃の体から力が抜けて膝をつく
陽乃「っ……あっ、痛っ……」
ごつんっと膝を強打した猛烈な痛みを感じて陽乃は呻いて、顔を上げる。
陽乃「……なる、ほど」
群がっていたバーテックスは影も形もなく消え失せて、
生い茂っていた草木さえも、不自然にその生命力を失って枯れ果てていた。
周囲に死を与える、非常識なほど凶悪な力。
振り返ってみれば、わずかに結界が揺らいでいるのが見えたが、すぐに持ち直す。
体の痛みも、徐々に和らいでいく
陽乃「これは――」
これは間違いなく、勇者の命さえ奪いかねない力だ。と、
改めて自覚すると、ぐらりと体が揺れ落ちて、誰かに抱きかかえられる。
一人か、二人か、三人か
うすぼんやりとした視界の中に、人影が見えたところで陽乃は気を失った
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