【ミリマスR-18】ギターを弾きに自宅に入り浸るジュリアと関係するようになる話
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2:名前の無いラブソング 1/16[sage saga]
2021/04/29(木) 23:46:15.27 ID:lIHN2UCG0
 家に帰る景色が違うというのは不思議なものだ。家を出た時の景色が違うのも。引っ越しは人生で三度目だが、二度目の引っ越しの後で感じた新鮮な気持ちは、今回の引っ越しでも変わらなかった。家賃は以前の家より高くなった。思い切った決断だったが悔いはない。劇場のアイドル達の奮闘のおかげで、財布事情もよくなったのだ。

 荷解きも済んで、家具類は一通り設置した。忙しいオフになったが、充実していたのは確かだった。ちょっと値段の張る肉でも買ってこようか、とウキウキ気分だった。エントランスを抜け、マンションの自動ドアをくぐるまでは。

「うおっ……ぷ、プロデューサー!?」
「えっ、ジュリア!?」

 夕暮れ時の住宅街に、素っ頓狂な声が響いた。制服姿にはミスマッチともいえる派手な赤毛が、風になびいている。

「なんでプロデューサーがここに」
「そりゃこっちの台詞だよ。どうしてジュリアがウチの目の前を歩いてるんだ」

 ジュリアが眉をひそめた。

「どうして……って、当たり前だろ。ここはあたしの通学路なんだから。それで『ウチの目の前』ってどういうことだ?」
「引っ越してきたんだ、数日前に」

 ライブの映像や映画を大音量で楽しみたかったので、防音性に優れたマンションという条件を優先的に探した。鉄筋コンクリートの新築で壁は厚め、一階の角部屋、隣人は夜勤者で生活時間帯はほぼ被らない。真上の部屋は誰も入居していない。……そこまで話す内にジュリアの目が爛々と輝きだし、藪を突いて蛇を出す、という諺が脳裏をよぎった。

 結局、来たばかりの通路を引き返し、学校帰りの女子高生が1LDKのお客さん第一号になった。「お邪魔します」と一言、畳んだ段ボール箱を避けながらジュリアがスリッパに足を通した。リビングに入ってくると、視線をあちこちに巡らせている。

「まだ散らかってるのは、勘弁してくれよ」
「……なあ、あの棚のCD、もしかして全部劇場の……?」
「ライブのBlu-rayも揃ってるぞ。大きな音を出しても平気な物件を探してたんだ。グッズの置き場所も欲しかったしな」
「大きな音……。そういうことなら」

 背中のギターケースを下ろして、ジュリアがソファーに腰かけた。

「いいよな?」

 ダメだ、と俺が言わないのを確かめて、ジュリアがアコースティックギターを奏で始めた。



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