【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい5
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285: ◆gEU9La026k[saga]
2021/05/17(月) 22:41:06.69 ID:2t9jO7r+0
ジーク「……もう、何年前だったかも定かじゃない」

ジーク「リアローズとの出会いほど、しっかり思い出すこともできない」

ジーク「だが、俺は確かに彼女に……セレスティア姫にあっていたんだ」

シェリル「ど、どこでですか……?」

ジーク「……公国領の一番外、貧民領だったか」

ノエル「え? 公国の姫がどうしてそんなところに?」

マリリン「私も詳しくは知らないんだけど、あのお姫様は今も昔も色々と複雑みたいだからねぇ……」

ジーク「傭兵団の仲間の一人が、そこの出身だったんだ」

ジーク「あいつは家族に稼ぎを渡し、団長のところにすぐに戻ったが……」

ジーク「俺はどうしてか、夜中にふらついていた。貧民領といえど、公国が珍しかったのかもしれない」

ジーク「……そして、偶然。俺の目の前で、光の無い虚ろな目をした少女が、飛び降りようとしていた」

一同「「!!」」

ジーク「……俺は咄嗟に駆けた。そして寸でのところで、その手を掴めたんだ」

ジーク「そうだ、そう……やせ細っていた。苦も無く引き上げられる程に」

ジーク「俺は聞いた。なんであんな真似をしたのか」

ジーク「返事は、自分に生きている意味が無いから、死にたいというものだった……」

ジーク「……そして、俺はおそらく何も考えずに、自分の感情を吐きだした」

ジーク「――自分で死のうとするな、生きろと」

シェリル「生きる……」

ミナ「……ご立派だと思います。神もおそらくそう仰ったことでしょう」

ジーク「……」フルフル

ジーク「……俺の言葉は、そんなご立派なものじゃあない」

ジーク「俺は捨て子だ。両親の顔も知らず、いつの間にか剣を握って振っていた」

ジーク「鍛錬は辛い。実戦は辛い。それでも傭兵団のみんなは『生きる』ために剣を振った」

ジーク「それしか、知らないから。戦って、食って、生きて。それの繰り返しだ」

ジーク「だが、その繰り返しはいつか途切れる。戦って、負けた時。――死ぬ時だ」




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