【可愛そうにね、元気くん】「進まない」【SS】
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44:名無しNIPPER
2021/08/14(土) 03:00:57.17 ID:JzXNw/sm0
「…………んふふ」
「おい」
45:名無しNIPPER
2021/08/14(土) 03:01:35.29 ID:JzXNw/sm0
「――お客さん、着いたよ」
駅前でタクシーが停まり、運転手が車内灯を点ける。その寸前に、俺たちの手はするりと解けた。
46:名無しNIPPER
2021/08/14(土) 03:02:20.62 ID:JzXNw/sm0
「こっからは一人で帰ってくれよ……」
「え〜〜、やだ〜〜〜〜!! げんきくんとかえる〜〜〜〜!!」
47:名無しNIPPER
2021/08/14(土) 03:02:49.41 ID:JzXNw/sm0
******
48:名無しNIPPER
2021/08/14(土) 03:04:23.80 ID:JzXNw/sm0
気を取り直して、鷺沢を担ぎなおして、駅前の大通りを進む。流石に飲み屋とコンビニ以外は閉まってる時間で、局地的な騒ぎ声があちこちから棘のように耳に刺さる。結構な数のゴミや放置自転車が見受けられるあたり、あまり治安は良くなさそうだ。
……鷺沢、こんなところに住んでいるのか。生活してる中で危険はないのだろうか?
遠くから聞こえる陽キャの笑い声に内心で怯えながら歩いていると、鷺沢が不意に顔を上げた。
49:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:05:28.56 ID:JzXNw/sm0
そこは――家なんかじゃなかった。
ちょっと……いや、かなり品のない装飾の施された、背の高い建物。ケバケバしいのにどこか静けさもある、退廃的な雰囲気。安っぽく光る置き看板。休憩三千八百円、宿泊七千五百円。
作画資料以外では馴染みのない、そういうコトのための建物。
50:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:06:12.61 ID:JzXNw/sm0
慌てて後ずさろうとした俺の肩を、鷺沢はがっちりと捕まえて。
――あの頃に嫌というほどに見た、悪魔のような蕩ける笑顔で、はっきりと口にした。
51:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:06:45.80 ID:JzXNw/sm0
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52:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:07:21.99 ID:JzXNw/sm0
「つん、つん、つーん♪」
「い、てっ、何っ――うわっ」
53:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:08:12.71 ID:JzXNw/sm0
「――――」
真っすぐな視線と、言葉。
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