【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
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18: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/09/04(土) 22:53:55.52 ID:0JgQDisSo

陽乃「悪いけれど、考えてないわ」

「ううん……勇者様は考えてくれてる。だって、そうじゃなかったら、おばあちゃん達を置いていくのを癒そうな顔しなかったはずだよ」

陽乃「余計な隙を与えることになったからよ。それ以上でも以下でもない」

勇者を責める口実

いや、陽乃個人を責める口実とでもいうべきか

それを与えることになってしまったからだと陽乃は言うが、少女は首を振る

「私達が見てきたようなことを、勇者様だって見てきたはずだよ」

陽乃「だから?」

「私達よりもずっと、立ち向かう怖さを知ってると思う」

あの化け物が降り注いだあの日のできごと

良いことなんて、生きているくらいしかなくて、

何もかもが悪いことでしかなかったあの日

そこからの3年間は、生きながらえたことを喜べるのなんてほんの一握りで、不安ばかりだったことだろう。

そして勇者はそれを、最前線で見てきたのだろう。

なまじ抗う力を得られてしまったばっかりに、

辛い役目を押し付けられて、責任を負わされて、

怖くても不安でも何があっても自分だけが助かればいいと、逃げ出せるようなものではなかったはずだ。

「勇者様には戦う力があるけど、でも、それだけ。だよね? それ以外は、私達と同じはずだよ」


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