【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
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20: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/09/05(日) 00:18:15.43 ID:NJeaNZcOo
私だったらね。と、繰り返すように言う彼女は、
申し訳なさそうな笑みを零しながら、陽乃を見つめる。
「勇者様……久遠さんは違うかもしれない。そうじゃないかもしれない。でも、だとしたらそれは、誰かを助けたいから勇者になったってことでしょ?」
むしろ、そうなりたくて自ら望んだのであれば、
勇者にされたのではなく勇者になったということだし、
そしてきっと、それは誰かを助けるためだろう。
「自分だけを助けようって人が勇者になんてなれないって私は思う」
3年間で、心変わりをした可能性もあるだろう。
でもだとしたらそれこそ、理不尽な何かがあったからで、
本来は自分ではなく誰かを助けようとしていた勇者という名に偽りのないものだったはずで。
陽乃「そうとは限らないでしょうに」
「そうだけど、でも、私の知ってる勇者様はそうだった」
彼女の知っている勇者というのは、歌野のことだろう。
「私達は、ただ助けてもらうばかりじゃいけないと思う。戦う以外の、努力でどうにかできることはするべきだって思う。トラウマを乗り越えるのだって、その1つなんだよ」
彼女はそう言って、自分があまりにも恥ずかしいことを言っているとでも思ったのか、
熱くなりすぎちゃったけど。と、照れくさそうに笑って。
「戦えないけど、頑張れることは頑張りたいから……だから、手伝ってって一言言ってくれたら私は何だってするよ」
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